一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

脱原発にも原子力工学は必要

2012-02-14 | 原発事故・節電・原発問題
福島第1原発2号機のニュースを見ていて、解説に「原子力工学」を専門とするの大学教授が出てきたので思ったのですが、今後「脱原発」が国の方針になり、また諸外国でもトレンドになると、当然企業や大学での研究者の需要は減るわけで、これから大学で研究分野を選ぼうとする学生にとっては原子力工学の分野は魅力的でなくなってしまうと思います。

一方で脱原発をするにしても、廃炉や使用済み核燃料の処理などは数十年(数百年?)単位の仕事として残るわけで、それに対応する人材も数十年単位を見ながら育成する必要があるのですが、それが可能なのかと心配になります。

もっともそれが原発推進の根拠になるのは本末転倒なのですが、脱原発といういわば撤退戦はものすごい長期戦になるわけで、今いる兵力だけでなくこれから撤退戦に従事するための兵力を育成し投入していく必要が生じます。


はたして撤退戦だけをおこなうところに優秀な人材が集まるのでしょうか?


仮に優秀な人材を確保できたとしても、原子炉の廃棄と廃棄物の処理は電力会社だけではできずに国の統一した施策になると思いますが、それが唯一の職場・活躍の舞台となった場合に、チェック&バランスが働かなくなるおそれもあります。

たとえば「安全を保証できない」という理由で巨額な予算を要求された場合に、それを批判的に検証することは可能なのでしょうか。


「原発村」がなくなったとしても「脱原発村」ができてしまっては意味がありません。
しかもそこには希望者が少ないがゆえに競争原理が働かないとしたら、へたをすると今より悪い状況になってしまうかもしれません。

脱原発には直接的な費用だけではなく、そのための研究者や従事する体制も含めた検討が必要だと思います。


まあこれはいわば当たり前のことなんですけど、日本では(日本に限らない?)、後始末・川下・事後処理の仕事はとかく軽視されがちだという自戒も含めて。



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