ここ数日BBCニュースではアイスランドの銀行の経営危機の問題が話題になっています。
一昨日くらいからログインできない状態が続いているそうで、イギリスでもアイスランドのネット銀行の利用者は多く、影響が懸念されています。
(考えてみればネット銀行は取り付けにも行けないんですよね(苦笑))
そこで
アイスランド危機深刻 ロシアから5500億円緊急融資
(2008年10月8日(水)01:37 朝日新聞)
米国発の金融危機でアイスランド経済が危機に陥っている。議会が全銀行を政府管理下に置く法案を可決したのを受け、政府は大手ランズバンキを国有化。英国民などがネット上に持っていた30万の預金口座が凍結された。同国は通貨をユーロに固定(ペッグ)。危機を乗り切るためロシアに急接近している。
アイスランド政府は7日、ランズバンキを管理下においたと発表。ランズバンキのネット銀行に口座を持っていた外国人の口座が凍結されたという。英BBCによると、英国人とオランダ人の口座が計約35万あるという。預金を引き出せなくなり、利用者の間には不安が広がっている。
さらに、欧州メディアによると、アイスランドは同国通貨を7日からユーロに固定すると発表した。1ユーロ=131クローナの比率にするという。
今後、多額の外貨が必要になることから、アイスランド中央銀行は、ロシアから40億ユーロ(約5500億円)のユーロ建て緊急融資を受けることを明らかにした。
アイスランドの銀行を救済するのがロシアのお金、というあたりの力関係はよくわからないのですが、イギリスやEU諸国は他国まで面倒を見る余裕はないということでしょうか。
ところが
アイスランド、最大手銀も国有化
(2008年10月9日(木)23:43 朝日新聞)
アイスランド政府は9日、同国銀行最大手のカウプシングを国有化した。同国ではすでに大手銀行ランズバンキも政府の管理下に入っている。欧州メディアの報道によると、アイスランドは、導入を発表したばかりだった同国通貨の対ユーロ相場固定(ペッグ)制を8日には撤回。大混乱が続いている。
ロシアのMICEX証取所、10月10日まで取引停止(2008年10月8日(水)16:59 ロイター) なんてことがあったりして、(今日は逆に急騰で取引停止だそうです(苦笑)(参照))ロシアからの融資は不調に終わったのでしょうか。
私は知らなかったのですが、Wikipediaによるとアイスランドはネットバンキングの先進国のようです。
クレジットカードやインターネットバンキングなどによりキャッシュレス決済が進み、現金決済が著しく少ない(GDP比1%以下)ことで有名である。背景には、1980年代に経済の中心が漁業だったため、水産物の価格に振り回され物価がインフレとなったため、決済が不足気味の現金から小切手へ切り替わっていったことが挙げられる。
産業としては、金融部門の伸びが著しく、金融、不動産がGDPにしめる割合は、26%に達している。
全体のGDPは少ないが、国民一人当たりでは世界でもトップレベル(2006年時点で世界5位)に位置する。さらに国際競争力も高く、世界4位、ヨーロッパ1位となっており、小国ながら特筆すべき経済力を持っている。
国内経済のボリュームは小さいのでしょうから、外国から預金を集めて海外での運用で利ざやを稼ぐというパターンで大きくなっていったのだと思います。
預金残高でなくGDPが国全体の26%ということは、経済自体が銀行化していたような感じもします。
そうなると、今回の金融危機を国が支えるにしても、国の資金力が続かない可能性もあるかもしれません。
でもこういうことが起こらないためにBISの自己資本規制はあるのだと思うのですが、今回のような急激な市場変動には無力、ということなのでしょうか。