一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

比喩の功罪

2005-06-23 | 乱読日記
『柔道ストラテジー』を読んだ。

新興のIT企業が大手に対抗してシェアを獲得し、拡大するための戦略を柔道に例えながら事例豊富に分析していて、とても面白かった。
IT企業のみならず、また中小企業・新興企業だけでなく参考になる経営書だと思う。

タイトルはケレンがあるが、中身は濃い。


ところで、あとがきにつぎのような文章があった。


「フランスの詩人ポール・ヴァレリーもかつて書いているように、比喩と証明を混同するのは愚かなことだ。しかし、比喩を賢明に選び、それが何を意味するのかを注意深く解釈し、どこにあてはまり、どこにあてはまらないかをきちんと解説すれば、このレトリックはあなたにとって貴重な道具となる。」


妙な比喩や例え話を好んで使う自分としては、その効用と危険性を常に意識する必要があると改めて思いました。

比喩は考えを深めるのを助けるために使うのであって、判断停止して結論に短絡するような使い方をしてはいけませんね。







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2 コメント

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ホントにまったく (kobanto)
2005-06-24 19:50:53
 気の利いた比喩の怖さは、本当にスゴイと思います。あと、「決まり文句」の持つ「思考停止力」もスゴイですね。

 でもこれらは、世間では確固たる勢力を持っていて、若い時はマトモに反発したりしてしまうのですが、こういう比喩が成立するために必要な、「無反省な共通認識」のようなものこそが「文化」なのかも・・・と気がついて、オトナになる事に決めました。

 でも、いつでもそのテの言葉に対しては、醒めていたいと思ってます。
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re:ホントにまったく (go2c→kobantoさん)
2005-06-25 03:26:26
そですね、僕自身も決り文句の枠組みを別の比喩で切り取ろうとしている部分もあるかもしれません。

ただ、それが自己満足になってしまってはいけませんね



あ、そうか。比喩でなくジョークで自己満足になると「オヤジギャグ」になるんですね。
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