一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

綱引きとか山登りとか

2010-03-25 | まつりごと

民主党の公開会社法といういアイデアは、上場企業に限定した規制と言う意味では会社法と金融商品取引法の交錯した部分をどのように整理するかがポイントになるのですが、これをめぐっては、会社法の枠組みの延長として考えている法務省と、金融商品取引法の触手を伸ばしたい金融庁の綱引きに、コーポレートガバナンスつながりで「一丁噛み」したい経産省が綱引きをしているという話があります。

先日金融庁がパブコメを出していきなり4月から施行される開示布令(役員報酬の開示とかですね)も、その綱引きの一環だという見方も。

そんな中で3月10日の参議院本会議での民主党大久保議員と鳩山総理・仙石大臣の質疑(参議院会議録情報から抜粋、下線は私)

○大久保勉君 昨年七月、民主党は公開会社法プロジェクトチームで取りまとめを行い、情報開示の徹底、内部統制の強化、企業集団の明確化の三つを柱とする公開会社法要綱案を作成しました。日本航空をめぐる問題への対応としてこの公開会社法の制定は急務であると考えます。 
 公開会社法をめぐる政府の対応としては、単なる会社法の見直しという形で既に法制審議会へ諮問されており、法務省内でも議論が始まろうとしております。しかし、公開会社法が扱う問題は上場企業の統治形態だけにとどまるものではなく、雇用、企業の成長、資本市場の活性化、投資家保護等の日本国家基本戦略上重要な問題を多く含んでおります。これまでのように法務省、金融庁、経済産業省、厚生労働省といった省庁ごとの縦割りによる検討では対応できないと考えます。この点に対する鳩山総理大臣と仙谷国家戦略担当大臣の御認識を伺います。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大久保議員の御質問にお答えをいたします。 まず、会社法制の見直しについてのお尋ねがございました。 
 これまで大久保議員が大変に健全な企業統治を実現するためのルールづくりに大変御尽力されてこられたことに敬意を表したいと思います。 
 御指摘の会社法制の見直しに関しましては、会社を取り巻く幅広い利害関係者から一層の信頼を確保するためにも、さらにまた、我が国の企業の競争力を強化をして資本市場を活性化をしていくためにも、関係省庁の間でしっかりと連携を取ることが必要であります。その際、決して縦割りにならないように議論を進めていくことが肝要であること、大久保議員が指摘されたとおりでございます。

○国務大臣(仙谷由人君) 会社法制の見直しについての質問が大久保議員からございましたので、答弁をいたします。 
 結論から申し上げますと、大久保議員と問題意識をほとんど全面的にといいましょうか、共有をいたします。
 株式会社、とりわけ上場会社は、社会的、経済的に重要な役割を果たしていると、そういうふうに考えておりまして、経営者の監督や監視の在り方を検討することが非常に重要だというふうに考えております。そして、リーマン・ショック後のこの現在の状況というものは、企業、とりわけ公開された株式会社とは何なのか、どのようなものでなければならないのかという問題が私どもに突き付けられているというふうに考えております。 
 今般、上場会社を含む会社法制の見直しということになっているわけでありますが、我が国の企業の競争力を強化しなければならない、そして資本市場を活性化しなければならないということに十二分に配慮しなければなりませんけれども、とりわけ上場会社については、その社会性、公共性を重視するという観点、すなわち上場会社のコーポレートガバナンスの仕組みをどうつくるか、このことが大変な重要、問題であるという問題意識を持っておりまして、そういう観点から、政府一丸となって会社を、企業を取り巻く幅広い利害関係者からの一層の信頼を確保する、そういう観点も併せて検討を進めていくべきであるというふうに考えているところでございます。 
 以上であります。(拍手)  

そもそも「雇用、企業の成長、資本市場の活性化、投資家保護」は「日本国家基本戦略上重要な問題」ですが、(公開)会社法という上場企業のありようを定める法律のカバーする範囲としては、できて投資家保護くらいで、最初の2つは結果であって法規制でどうなることでもないように思います。 
この4つを企業に法的責任として求めるとするなら、中国以上の社会主義国家になる必要がありますね。 

しかも「仙谷君」の答弁の後段の文章も意味不明極まりないのですが、これのどこに対して(拍手)なんだろう・・・ 
確かに発言をテープ起こしすると脈絡のない文章になることは多いけど、国会答弁はあらかじめ用意されているんだし、しかも与党の応援質問なんだから、メリハリのついた答弁をしてもらいたいところです。  

「各省の連携」(厚生労働省が入ってるのは、例の従業者代表を監査役に、という関係なのでしょうか。)というのが大久保議員、または民主党の方針なのか、どこかの省の入れ知恵なのかはわかりませんが、「船、山に登る」にはなってほしくないものです。
山頂で「ほら、櫓を渡すから漕げ」と言われても困るし。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『楽しく建てる―建築家・遠藤... | トップ | 簪を買う坊さんは冷やかす程... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

まつりごと」カテゴリの最新記事