一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「今までが甘かっただけです」

2008-11-07 | あきなひ

SFCGの「貸しはがし」が問題になっています。

きょう相談電話、商工ローン大手「SFCG」対応
(2008年10月29日(水)10:48 神戸新聞)

商工ローン大手「SFCG」(東京)が、担保価値の低下を理由に一括返済を迫る文書を送付し、動揺する債務者が増えているとして、兵庫県弁護士会は二十九日午前十時-午後四時、無料相談電話(078・341・9001)を開設する。  
弁護士会によると、同社は九月上旬から子会社名で、債務者に元金の一括返済を求める通知を発送。債務者から「担保がないのに『担保評価割れが生じた』と書かれた文書が届いた」などの相談が多数寄せられた。「法的手続き着手のお知らせ」という文書も送られてきたという。

「売上金譲渡受けた」通知で横取り回収…商工ローン「SFCG」
(2008年11月7日(金)03:05 読売新聞)

商工ローン大手「SFCG」(旧・商工ファンド)グループが、融資先の中小企業からの返済が滞っていないのに、その取引先に対して「売上金(債権)の譲渡を受けた」とする通知書を送り付け、融資先に支払われるはずの代金をSFCGに払うよう求めていることが分かった。

これに対するSFCGの言い分をダイレクトメールについて(平成20年10月29日)から抜粋します。

契約上の義務履行その他のお客様および保証人(以下、両者を併せて「お客様等」といいます)の信用状態の検証については、長らく懸案事項ではあったものの、ずっと後回しにされて来てしまいました。  

一方、当社は昨今のサブプライム問題に端を発した世界的な金融収縮の中、これを機に本格的に債権の良質化に取り組むことと致しました。 

まずは期限の利益の喪失状態にないことの徹底把握に努めました。
特に、今回の債権の良質化について、とくに重点的に再審査したのは以下の点です。
(1) 債権者との約定に基づく元利金の支払を一度でも怠ったとき
(2)債権者に対し住所変更の届出を怠り、主債務者又は連帯保証人の中一人でも所在が不明になったとき。
(3) 契約締結後に他の金融業者より借り入れて、それにより資産状況が著しく悪化したとき。
(4)その他、原契約の契約書の各条項に違約したとき

次に、これまで、お客様等の信用状態が変化あるいは物的担保の評価減など、およそ信用力が低下するような事情があった場合(これを当社では、人的・物的担保を併せて「担保割れ」と表現しております)であっても、そのまま放置されてきた不良債権予備軍を全社および子会社で再審査させ、再度お客様等との話し合いによって、信用力と融資額が釣り合うように改善させることとしたのであります。  

DMの内容につきましては、まずは、あくまでお話し合いの場を持ちたいというものであります。そのDMについて、全く返答が頂けない、あるいは誠意のある回答をいただけなかったお客様等につきましては、第二段階として法的手続着手の予告のDMを送っております。しかしながら、その予告DMについても直ちに着手するものではなく、お客様等からの連絡を待つための、相当な期間を置いております。

なかなか堂々としてますね。
要するに
①今までずさんだった与信管理をきっちり始めただけで、今まで安住していた債務者に文句を言われる筋合いはない
②「担保割れ」というのは人的担保も含めた信用力悪化全般についての表現だ
③DMはコミュニケーションのためのツールであって、そこに警告的文言を入れたからと言って文句を言われる筋合いはない
ということですね。

最後に弁護士意見書が原文のまま添付されていますが、「弁護士意見書があるぞ」などと対外的に言うときは、ちょっと後ろめたい気持ちの裏返しであることも多いので、逆にここは弱気の部分を見せたといえるかもしれません。


今回DMを受けた債務者がどの程度の信用悪化をしているのかにもよりますが、SFCG側は一歩も譲るつもりはないようです(これくらいでひるんでいては商工ローンはやってられないのでしょう)。

他の金融機関としては、これで訴訟になって期限の利益喪失約款について妙な判例が出ないようにどきどきしながら見守っているのかもしれません。

しばし注目したいと思います。


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