先週の週末、長野県の駒ヶ根に行ってきました。
名古屋からの高速バスは道中吹雪で先が思いやられたのですが
現地に着くころには青空が見えていました。
12月に入って急に雪が降り出したそうで、畑には金曜に降った雪が残っていました。
中央アルプスも「ハーフ雪景色」という感じ。
訪れたのは信州マルス蒸留所
きっかけはこのTweetでした。
こう言われたら、見学に行くしかないでしょう。
蒸留所と竹鶴政孝(マッサン)の関係はウェブサイトのマルスウイスキーの歴史で詳しく書かれていますが、見学コースにも説明があります。
簡単に言うと、竹鶴が入社した摂津酒造の常務で醸造の責任者岩井喜一郎は竹鶴を英国研修に送り出し、竹鶴は帰国後報告書「竹鶴ノート」をまとめた。
摂津酒造はウイスキー製造を断念し竹鶴退社(このへんからの竹鶴は朝ドラ参照)
一方で岩井喜一郎は大阪帝國大学の醸造学の講師になる。
そこに本坊酒造の(○代目?)本坊蔵吉が師事。
戦後岩井は摂津酒造を退社し本坊酒造の顧問となり、ウイスキー部門の計画を任され、「竹鶴ノート」をもとに蒸留所を設計した。
ちなみに本坊蔵吉は後に岩井喜一郎の娘と結婚しています。
こちらが入れ替え終わった新品の蒸留釜
新酒の仕込みは来年1月からで、今は水を入れて試験運転をしています。
本来蒸留釜はもう少しもつらしいのですが、生産量を増やす計画があり、一方で点検したところ厚さが2mmくらいしかなくなっているところがあったので交換することにしたそうです。
貯蔵庫も見学できます。
ウイスキーの香りが充満しています。
ここもコンパクトなので、増設するのでしょうか。
試飲コーナーもあります。
ウイスキーだけでなく、地ビール、ワイン(山梨の醸造所製)、梅酒も試飲できます。
シングルモルト駒ヶ岳 シェリー&アメリカンホワイトオーク2011
優しい香りと3年ものとは思えないまろやかさがあります。いまは閉鎖されてしまったメルシャン軽井沢蒸留所で作られていた「軽井沢シングルモルト12年」(絶版になって残念)に似た雰囲気があると言ったら、試飲所の女性が軽井沢蒸留所に行ったことがあり、「なんで閉鎖しちゃったんでしょうね、もったいない」とひとしきり盛り上がりました。
岩井トラディション
ブレンデッドならではの厚みと広がりがある。某社のシングルモルトより好きかもしれない。
コストパフォーマンス的には抜群。
竜峡梅酒
地元の竜峡小梅をブランデーで仕込んだ梅酒。甘みと香りのバランスがとてもよい。
Apple Hop
地元のリンゴを使ったヴァイツェンタイプの地ビール(発泡酒扱い)甘みと香りがうまく調和している。
以上を購入。別便で宅送。
つぎは駒ケ根といえば「駒ケ根ソースかつ丼」
タクシーの運転手さんに駅の近くでおすすめも店を聞き、行ったのは「きよし」。
駒ケ根ソースかつ丼はキャベツとカツだけ。
地元では「卵でとじて」と言わないと普通のカツ丼は出ないそうです。
ボリューム満点
駒ケ根ソースかつ丼公式サイトによると、名乗るには基準を満たさなければいけないようです。
駒ヶ根市では平成5年に市内飲食店有志により「駒ヶ根ソースかつ丼会」が発足、以来「ソースかつ丼による街おこし」に取り組んでいます。
どのお店に入っても一定の基準が保たれるよう、会ではお客様のためのソースかつ丼規定を設けています。
<お客様のための駒ヶ根ソースかつ丼規定>
其の一 器は丼に限定する。
其の二 ソースかつ丼の肉は豚肉のロースを基本とし、120グラム以上とする。
其の三 かつはパン粉を付けて揚げたものでなければならない。
其の四 キャベツは細かく切って水に浸してから水分を切って丼の飯の上に載せる。
其の五 かつを揚げる油については油脂は自由としても良いが、
揚げかすは必ず取り、汚れた油では揚げない
其の六 ソースはソースかつ丼会で作ったものを最低基準とし、
これに工夫することが望ましい。
其の七 かつを揚げてソースを潜らせる時、ソースも温めておき、
揚げたてのかつをそのままソースに潜らせて切って飯に載せても、
切ってからソースに潜らせて飯の上に載せても自由とする。
其の八 海苔等はソースかつ丼に載せない。
また、キャベツ以外の野菜は載せない。
其の九 蓋は自由とする。
店のレジに置いてあった「信州・駒ヶ根ソースかつ丼物語―ご当地グルメに託したまちおこし」という本の中に、上の基準の意味や町おこしの軌跡が詳しく書かれています。
本を読み進むと、実は「きよし」の店主は、「駒ヶ根ソースかつ丼会」の現会長(三代目)だったそうです。
なんだか得した気分になりました。