一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

宇都宮弁護士といえば消費者金融問題、というのは短絡的過ぎるかもしれませんが

2010-02-08 | 法律・裁判・弁護士
再投票になった日弁連選挙ですが、反主流派(というと良くないのかな?改革派というと肩入れしているみたいだし...まあ、僕には投票権がないんですが)の宇都宮弁護士といえばサラ金のグレーゾーン金利にかなり早い時期から切り込んだ人というイメージが強い人です。

現在では過払い訴訟は多くの弁護士の食い扶持になっているわけですが、このビジネスモデルのすごいところは、争えば必ず勝つし、相手の貸金業者がつぶれるまではとりっぱぐれがないことです。
アメリカ流に言えば「七面鳥撃ち」ですね。

その結果、過払い訴訟の分野が過当競争になり(しかも司法書士も取り扱えるようになったので輪をかけてます)、別の問題--簡単に結果が出る案件しか扱われず本当に困っている複雑な事情の人は相手にされない、とか、過払い額というパイが明確なので依頼人への返還と弁護士報酬がゼロサムになりそこにコンフリクトが生じるなど--が出てきているくらいになっているわけです。

今回宇都宮弁護士がどのような理由で支持を集めたのかは知りませんが、ひょっとすると(ご本人はそんなことは思っていないでしょうが)「第二の過払い訴訟」のような新しいビジネスモデルの開拓を期待されているのかもしれません。


個人的には、それはそれで世の中いい方向に行くんじゃないかな、とも思っています。

というのは、もし裁判所が現在の契約なり慣行なりがおかしいというのであれば、企業としてもリスクマネジメントの観点からは問題点を早い時点で指摘してもらったほうが早めに修正して損害も少なくて済むので「太らせてから喰え」とやられるよりはずいぶんましです。

実際、過払い訴訟のように過去に遡って不当利得返還を求められるような超過利得を得ている企業というのはそんなに多くなと思います。
(最近話題の更新料訴訟も、個人的には一律に消費者契約法違反というのも無理があるように思うのですが、その話は機会があれば後日--これは借地借家法の正当事由制度と高齢者の住居の確保のセーフティネットの問題など別の意味で根深いと思うので)

ただ、企業がすばやく対応してしまうと「七面鳥撃ち」にならないので弁護士の収益としては美味しくないということになってしまうのが悩ましいところかもしれません(社会正義が実現されれば、弁護士の方はそんな小さいことにはこだわらないでしょうが)。

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