熨斗の仕事はほとんど動く事のない仕事なので・・・・
考えようによっては折り紙をやっているみたいな時もあり、
毎日、会社の中でこの仕事をしていると週末にはどうしても動きたくなります。
しかし、今日は目覚めて窓から外を見ると、窓から見える空はどんよりと曇り、雨の音もしているような気もします。
アイゼンとスノーシュー持って浪合の蛇峠に行こうと思っていたのに・・・がっかり。
気を取り直して登山靴を履き、風越山に行こうと思い家を出ました。
風越山の麓を歩き始めた時・・・
雪の降り出しそうな誰もいない道を歩いていると、一台の軽トラがすっと私の隣で停まりました。
高校の時の恩師・・・・・近くに住む先生の車でした。
偶然の出会いでした。
先生所有の小さな小屋で話をしながらコーヒーをごちそうになりました。
庵のようなこの小屋は、日本中に散らばった山岳部OGが戻って来れる場所でもあります。
静かに雪が降るこんな日は、特にこの建物を情緒的に見せ、
日々の雑念から解放される時間を共に過ごしてくれる。
先生が丸い小さな卓袱台の上に珈琲を用意してくれて、
静かに降る窓の外の雪を見ながら、山の話や世間話で時が過ぎて行きました。
先生も、私達山仲間も、だんだん年を取って行くけれど、
いつまでも大好きな山に行けますように・・・・。
友人が怪我をしたとか、病気になったとか、膝や腰が痛くなったとか、
最近、そんな話ばかり聞くようになりました。
最も大切なものは健康。
雪が積もって来ました。そろそろ帰らないと。
登山靴で歩いて来たから雪が降っても大丈夫。
あっという間に墨絵のような景色に変わり、
(やっぱり今日は山は無理だったよ)と自分に言い聞かす。
・・・・だからできた素敵な時間。