勤労感謝の日、友人と風越山に登る約束をしました。
朝、父に「風越山行く?」と聞くと、
「行ってもいいが・・・」の返事。
午後から雨の予報、しかも友は山頂まで行ってみたいと言う。
(父と私は山頂まで行けなくてもいいや・・・ゆっくり行ける所まで行こう・・)
と思いながら歩き始めました。
山はもう紅葉も過ぎ、枯れ葉が登山道を埋め尽くしていました。
虚空蔵山を過ぎ、矢立木を過ぎ、奥宮までもう少しの展望台まで来ても父は他の人と同じペースで黙々と歩きます。
南妙法蓮華経の文字が彫ってある大きな石を越えるともうすぐ奥宮に到着です。
奥宮近くには10本ほどシャクナゲの木があります。
2mくらいに育ったシャクナゲ・・・
私達が風越高校の山岳部にいた頃植えた木です。
・・・なので樹齢は35~40歳くらいですか?
植えた時30cmくらいだったので、数年前シャクナゲ探しに行った時には、
大きくなり過ぎていて見つける事ができませんでした。
低い所ばかり探していたので・・・・。
自分の背丈よりずっと高くなっていました。
大きくなるはずでした。
私もすでに半世紀を生きたから・・。
白山神社奥宮の仁王門、
今まで中を覗いた事がなかったのですが、中には小さな神様がいました。
奥宮から奥の院までは、結構険しい所があり、ロープにしがみついて登って行きます。
父は顔色も変えず、むしろ得意気。
それにしても、父は日々体力がついているような気がする・・
今日の山行きは私よりも余裕がありそうな感じがして、
特にこの鎖場などは「じいちゃん、気を付けてね」と声を掛ける私に
「気を付けるのはお前だろう・・」と言われそうでした。
風越山山頂に着くと父が言いました。
「人生は重い荷を背負って、長い路を行くが如し。急ぐべからず」
自分に言っているようにも、私に言っているようにも聞こえました。
「誰の言葉?」私が聞くと
「家康だ」・・・って。
(私は重い荷を背負って長い路を歩く事が嫌いじゃない。家康の言葉が本当なら楽しい人生を送れるかも・・な。
体力だけはつけておかなくちゃ。)
山頂を少し下ると、大きな岩に
「秋風や 狗賓の山に骨を埋む」という日夏耿之介の句碑があります。
この、歴史と信仰が生き続ける風越山が飯田人の誇りです。
山頂で今年初めての雪が降って来ました。