「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界の特性 (2)

2014年07月15日 20時29分41秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
(前の記事からの続き)

○ 境界特性その2

・ 皆さんは 誰かの求めに応じて 境界を設けましたか? 

  それとも 全員のニーズの バランスを取ろうとしましたか? 

・ 皆さんの意図は、 罰する, あるいはコントロールすることでしたか? 

  それとも、 全ての要因をもとにし、 理に適った計画を立てることでしたか? 

 ほとんどのノン・ボーダーの人は、 自分以外の全員に配慮しようとします。

 「ノー」 と言っていいことや、

 自分のニーズは 他の人のニーズと同じように 重要だということは、

 思いもよらないのです。

 『皆さんの境界は、 皆さんのためのであり、 他の人のためのものではありません。

 それは 皆さん自身, 他者, 人間関係を尊重することになるのです。』

 BPDの人は、 境界を

 彼らを罰する, コントロールするためのものと 見なすことがあります。

 彼らにとっては、 感情は事実に等しいものです。

 もし 皆さんが妥協するとしても、

 皆さんの感情が重要でないから という理由ではなく、

 皆さんが 「そうしたいから」  という理由でしてください。

 だからこそ皆さんは、 自分が何を望み、 何を必要としているかを

 はっきりさせる必要があるのです。

○ 境界特性その3

 この演習をした人の中には、

 諸経費が主な関心事で、 芝刈りは大した問題ではない という人もいます。

 きれいな家に 価値を置く人もいます。

 『それぞれの人が、 それぞれ異なる 境界のスタイルを持っています。』

 境界は 次の3点で変わってきます。

1. 境界の透過性: 境界がどれほど厚いか薄いか

2. 境界の柔軟性: 境界がどれほど可変的か

3. 境界の複雑さ: 境界がどれほど 相互に入り組んでいるか

 私たちは 自分自身の境界スタイルを持っており、

 それは 上記3つの相互作用によります。

 融通の利かない境界を 持つ人もいるし、 大雑把で柔軟な人もいます。

 高機能のBPDの人の中には、 かなり厳格な境界を 持つ人もいる一方で、

 non-BPDの中には、 何でも受け入れてしまう人がいます。

 そのため彼らは 圧倒された気持ちになるのです。

 境界の相違は、 衝突や不満の原因となります。

 しかし、 しばしば 別のことが原因に見えたりします。

 例えば お金, 子供, 約束を破ったなどについての 争いに見えるのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕
 


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