「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

感情統制不全に対する薬物療法 (1)

2013年09月09日 21時44分28秒 | 「BPD最新ガイド」より
 
 感情統制不全は、 気分の著しい反応性, 不安定性として現れ、

 そこから怒り, 落ち込み, 不安の感情が生まれます。

 自殺関連行動は 抑うつ症状よりも怒りによって生じることがよくあります。

 気分の制御の異常によって、 拒絶に敏感になり、

 落ち込んで  「気分の崩壊」 を招くこともあります。

 これは セロトニンの機能低下が関連しているとされ、

 SSRIなど セロトニンの機能を高める薬が 症状を和らげる作用があります。

〈SSRI抗うつ薬〉

 SSRI抗うつ薬は、 気分の落ち込み, 怒り, 不安など感情の統制不全に対して、

 最初に使用するべきものです。

 衝動的な攻撃性に対しても 明らかに効果があり、

 自傷行動にも効果的であることがあります。

 衝動的攻撃性への効果のほうが、 抑うつ気分への効果より

 ずっと速く現れるようです。

副作用

 SSRI抗うつ薬は 重大な副作用がなく、

 過量服用の場合でも 危険性がずっと低い特長があります。

 副作用としては、 一過性の軽い吐き気, 口の渇き, 便秘または下痢,

 不眠症または眠気, 落ち着きのなさ, 四肢の震え, 発汗などが挙げられます。

 他に、 性的な欲求や行動が 減少することがあります。

 落ち着きのなさによって、 自殺企図が生じることは重要です。

 あるSSRIを 4~6週間服用して さほど効果がない場合は、

 別の種類のSSRIを 試みることが推奨されます。

〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より

(次の記事に続く)
 

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