(前の記事からの続き)
o 化学的な脳
脳内には、 ニューロンが 枝のように複雑に入り組んで、
神経伝達物質という 化学的メッセージを受け取っています。
およそ50の神経伝達物質が 発見されています。
例えば、 ノルエピネフリンは 記憶・ 闘争・ 逃走反応に関係し、
ドーパミンは報酬の感覚, セロトニンは衝動性と気分に 関係しています。
神経伝達物質の量や、 変化の速さに 問題があると、
ニューロンが互いに 「話をする」 ことが 困難になる可能性があります。
ドーパミンのレベルが低いと パーキンソン病を生じさせ、
セロトニンは うつ病, 慢性疲労, 引きこもりに関連し、
ノルエピネフリンは 抑制のきかないパニック発作に 関連しています。
神経伝達物質の問題は、 BPDの 誤った思考 (認知能力), 感情の調節困難,
衝動性に関係しています。
o 遺伝子と脳
BPDそのものが 受け継がれることはありません。
受け継がれるのは、 この障害に関わる 2つから4つの特徴です。
両親がBPDでなくても、 以下のような、
BPDの特徴につながりうる 遺伝子を持っているかもしれません。
・ 攻撃性
・ 抑うつ
・ 興奮性
・ 怒りやすさ
・ 衝動性
・ 依存症になりやすい
・ 認知 (思考, 論理) 障害
遺伝子は種子であり、
日光や水, 肥料などの 環境に反応して育つものが、
パーソナリティと考えられます。
遺伝子と環境の両方が 影響力を持っているのです。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」 ランディ・クリーガー(星和書店)
〈監訳: 遊佐安一郎〉 より〕
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