「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

あなたのニーズや願望は何ですか? 

2015年05月10日 20時21分09秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
※ アクション・ステップ 16
 
 あなたの満たされていない ニーズや願望に関するものです。
 
【ステップ1】
 
 索引カード (名刺大から葉書大) を 1パック用意してください。
 
【ステップ2】
 
 あなたのBPが、 BPDではないと想定します。
 
 その人が持っていてほしい、 理想的な特性を カードの上に書いてください。
 
 例えば、 BPの人が夫なら 「精神的な親密さ」,
 
 娘なら 「気立てのよさ」 でも結構です。
 
 希望あるいは 必要としているものです。
 
 1~2週間, 1ヶ月以上かけて、 思い浮かんだ項目を書き留めてください。
 
 時間が経つと、 見失っていたものを思い付くでしょう。
 
 書くことで 何か強い感情を起こしたら、
 
 それに印を付けて、 その感情を書き留めてください。
 
 欲求を否定しないでください。
 
 感情的な作業をしましょう。
 
【ステップ3】
 
 上記のカードを テーマ別に分けていきます。
 
 共通の趣味, 感情的な能力, 知的な才能や人格特性などの テーマで構いません。
 
 分け方について悩まないでください。
 
 目的は、 曖昧な感情に関して、 考えをまとめることです。
 
【ステップ4】
 
 要求を分類したら、
 
 カードを優先順位の高いものと、 低いものの 2つの束に分けてください。
 
【ステップ5】
 
 優先順位の高い束を、 次の分類に分けてください。
 
a. 現在BPが満たしている欲求
 
b. 治療を受ければ、 BPが満たせる欲求
 
c. 望んでも満たせないもの
 
【ステップ6】
 
 a, b, cを書き添えながら、
 
 ノートに 優先順位の高い各項目を 書いてください。
 
 カードは保存し、 のちに付加しても構いません。
 
 
 このアクション・ステップは、 自分のニーズを意識することです。
 
 私たちは、 大切なものを手に入れられなかったり、 喪失したりした場合、
 
 自分自身を納得させようとします。
 
 そのような合理化は、 真実かもしれません。
 
 しかし葬り去っても、 願望は消え失せることはありません。
 
 我々の深い願望は、
 
 心に秘めている価値や、 忘れていた部分の鍵を 握っているのです。
 
 感情は簡単には断念しません。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
 (星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕