「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

家族の外傷体験から 家族のサポート体制へ

2013年09月29日 20時14分51秒 | 「BPD最新ガイド」より
 
 BPDの研究では、

 概して 病因 -- 障害を生じさせた でき事や対人関係 -- に

 焦点が当てられてきました。

 家族の困難については ごくわずかな情報しかありません。

 家族の負担は数多くあります。

 家庭生活の混乱, 刑事的問題に費やされる 時間とエネルギー,

 経済的負担, 家族の犠牲, 外の世界との関係が 損なわれること,

 愛する人の苦しみに 共感する苦しみ、 などです。

 家族は、 怒りをぶつけられること, 言葉による虐待や身体的虐待,

 治療の拒否といった困難に 取り組まなければなりません。

 専門家の冷たい視線, 治療の不充分さが 問題を増大させます。

 問題の解決には 組織と患者支援活動が必要です。

 BPDの人の家族会は 重要な第一歩です。

 家族の心的外傷の治療は 必要ですが、

 家族の心理教育, 情報の提供, サポートが最も効果的です。

 家族は以下のようなことを 知る必要があります。

 BPDの病因や症状, 生物学的・ 心理学的基盤, 薬剤,

 障害が顕在化するサインを どのように認識するか。

 適切なコミュニケーション, 行動のマネジメント, 問題解決策などの基本。

 家族自身の怒り・ 罪悪感・ 不安・ 欲求不満は 正常な反応であること,

 愛する人の混乱を コントロールできること。

 どうしたら限界を設定し、 自分自身の権利を尊重できるか、 などです。

 家族は、 悲しみと希望を 他の人々と共有し、 支えられることによって、

 彼ら自身が 愛する人をサポートすることができるのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より