(前の記事からの続き)
〈モノアミン酸化酵素阻害薬 (MAOI) 抗うつ薬〉
MAOI抗うつ薬は、 感情統制不全に対する 効果が実証されていますが、
使用には危険が伴います。
チラミンを含む食物を 多く取ると、 血圧上昇を引き起こします。
鼻づまりの薬や、 幾つかの降圧薬,
鎮静剤 (メペリジン) も服用できなくなります。
不法なドラッグは 特に危険です。
服用中に避けるべき 食物と薬を よく理解していることが不可欠です。
MAOI抗うつ薬は 過剰に服用すると 極めて有害ですが、
SSRI抗うつ薬が効かない場合に 考慮すべきです。
非定型の抑うつ症状には 極めて有効なことが多いのです。
〈抗不安薬〉
アルプラゾラム, クロナゼパムなどの薬剤は、
BPDの急性・ 慢性の不安に しばしば用いられます。
これらはベンゾジアピン系薬剤であり、
乱用されがちで、 依存する可能性があります。
突然使用を中止すると、
けいれん発作などの 離脱症状 (禁断症状) が生じる恐れがあります。
アルプラゾラムは、 自己破壊的行動や 他人への暴力といった、
重大な脱抑制行動が認められます。
クロナゼパムは、 重症患者の興奮や攻撃性に 有効であるという報告があります。
〈気分調整薬〉
感情統制不全と衝動的行動の 両方に使用されます。
〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より