「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心に寄り添うケアを (1)

2012年06月24日 21時32分26秒 | 介護帳
 
 アルツハイマー型認知症は、 脳が萎縮し、

 新しいことを記憶する 海馬がやせるもので、 全体の50%を占めます。

 次に多いのが、 脳卒中などが原因の 脳血管性認知症や、

 幻視が特徴のレビー小体型認知症です。

 認知症の症状には、

 「中核症状」 と 「行動心理症状 (BPSD)」 があります。

 前者は 「記憶障害」 や、 時間や場所が分からなくなる  「見当識障害」、

 自然な行動が取れなくなる  「実行機能障害」 が含まれます。

 後者は、 妄想, 歩き回り (徘徊) 〔*注〕, 暴言, 暴力, 抑うつなど、

 人によって 様々な症状が表れます。

 〔*注: 「徘徊」 という言葉は、  「目的もなく歩き回ること」 です。

  けれどもご本人には 必ず何かの目的があります。

  従って、 徘徊ではなく  「歩き回り」 という言葉を 使いたいと思います。〕

 例えば 気分が悪くなっても、

 認知症の人は それを訴えることができないので、 BPSDの症状で表すのです。

 無理にやめさせようとすると、

 緊張やイライラが増して、 BPSDが悪化してしまいます。

 BPSDのケアは、 体調の安定と 人間関係が大切で、

 ご本人の尊厳を守り、 穏やかな生活に向ける 意識が大事です。

 認知症の人の 暴言や妄想に、 家族は非常に心を痛め、

 介護者の方が先に うつ状態になることもあります。

 認知症の人の立場に立って 考えることは基本ですが、

 行動の裏にあるものを考えているうちに 追い詰められることもあり、

 考えすぎてもまずいでしょう。

(次の記事に続く)

〔読売新聞より〕
 
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