「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

高齢者の救急 (2) -- 自然な最期 家族の選択

2012年06月22日 12時07分45秒 | 介護帳
 
 Kさん (91才) は 呼吸が苦しくなって救急搬送され、

 病院で一旦は落ち着きました。

 しかし高齢者は 容体が急変することがよくあり、

 医師は心肺蘇生について 息子夫婦に尋ねました。

 夫婦の答は、

 「心臓が止まったら、 自然な経過に 任せたいと思っています」。

 Kさんは10年前から 息苦しさで救急搬送されることが増え、

 89才で脳梗塞を起こして、 介護施設に入りました。

 嫁のNさんが 見舞いに行くたびに、 Kさんは帰りたがりました。

 Nさんは語ります。

 「母をなだめるのは 辛いことでした。

 体のために 好物も食べられず、 ストレスを感じていたようです。

 好きなようにさせてあげたい 気持ちはありました」

 「人にとって、 死を迎えるのに いい時期とは何だろう、 と考えていました」

 夫婦は、 Kさんに 人工呼吸や胃ろうなどの延命処置は しないことに決めました。

 施設で 心肺停止で見つかったときは、 救急車を呼ばないことも伝えました。

 Nさんは、 葬儀社と遺族の間に入って、

 死後の手続の相談に乗る  「葬儀コンサルタント」 の仕事をしています。

 生前の意思を書き留めておく  「エンディングノート」 の編集を行なっています。

 最初のページは  「救急隊の方へ」 と題し、

 心肺蘇生を希望するかどうか、 本人が意思表示することにしました。

 意識不明になったとき 延命治療を希望を記す ページも作りました。

 残される家族の 負担を軽くするためです。

 その後 Kさんは、 安らかに息を引き取りました。

〔読売新聞より〕
 
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