「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ステップ9 (3)

2009年09月10日 19時26分17秒 | 「BPDのABC」より
 
(前の記事からの続き)

○自傷行為

 自傷は BPDの人が 圧倒的な感情的苦痛を逃れたり、

 コントロールしようとするために使う 適応メカニズムです。

 感情的苦痛とは通常、 恥の感情と 見捨てられ恐怖です。

 BPDの人があげる 自傷の理由には、 以下のようなものがあります。

・怒りを表現するため

 BPDの人が 誰かに怒りを覚えたとき、

 その人を傷つけたり 殺したくなってしまいます。

 けれども それが実際にはできないので、

 自分を傷つけて、 怒りを発散させているのです。

 その時はすっきりしますが、 あとになると 恥ずかしくなって後悔します。

・身体的痛みによって、 感情的苦痛から逃れるため

 自傷は 内的な地獄を抜け出して、 肉体を感じる 役に立つといいます。

・自己嫌悪を表現するため

 虐待を受けたBPDの人に より頻繁に見られます。

・生きていることを感じるため

 死んでいるような感覚や、 内面が痛んでいるという感覚を 緩和するためです。

 時として 反対に、 より麻痺した感覚を 得るためのこともあります。

・内面的に感じている苦痛を 人に伝えようとする試み

 助けを必要としていることを、 誰かに 気付いてもらうためにやります。

 あるいは、 「自分を切ると どんなに気分が悪いか 説明しなくて済む。

 見せることができるから」 と言う BPDの人もいます。

〔 「BPDのABC」 ランディ・クリーガー/E・ガン (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)