「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

弁証法的行動療法 (1)

2007年02月18日 13時48分10秒 | BPDの治療について
 
 現在欧米で BPDの最も効果的な療法として、

 「弁証法的行動療法」 (DBT〔*注:〕) が注目されています。

〔*注:DBT……Dialectical Behavior Therapy 〕

 薬物依存者や 自殺企図のある重いうつ病にも 有効だということです。

 僕も 詳しくは知らないのですが、簡単に紹介してみたいと思います。

 
 DBTは ワシントン大学の マーシャ・リネハン博士が 開発した療法で、

 西洋の心理療法と 東洋の禅の思想を 融合させたものです。

 次の4つの要素から 成り立っています。

(1)マインドフルネス

(2)対人関係を有効に保つためのスキル

(3)苦悩に耐えるスキル

(4)感情の統制
 

 (1)の 「マインドフルネス」 は DBTの一番 中心的なもので、

 「あるがままに受け入れる」 ということです。

[参考記事:  http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45393819.html ]

 「禅」の思想を取り入れていて、心身の状態をそのままに 観察して許容する

 ということだそうです。

 「今、ここ」 で体験しているものに 意識を集中し、

 目をそらさずに 現実を直視して、良い悪いの判断をせずに受け取り、

 習慣的に行動したり しないようにします。

 精神分析は 現在ではBPDに向かないと 言われていますが、

 分析的思考によって 価値判断をせず、

 感じているものから逃げたり 抑圧したりもしない。

 例えば 激しい怒りが生じた時、今までのパターンのように

 暴力や暴言という 行動に表してしまうのではなく、

 自分の感情を見つめ続ける 訓練をします。

 そして 執着を捨てて 中庸を見出していくよう促されます。

 そうしていくことによって、現実の捉え方を変えたり、

 自分の行動や考えを 変えたりできるようになるといいます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45311241.html