「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「敬愛なるベートーヴェン」 (2)

2006年11月26日 11時15分39秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/42612256.html からの続き)

 第九初演の日、アンナは、

 難聴に苦しむ ベートーヴェンの 耳代わりになって、彼の指揮を 陰でリードします。

 第九自体が 感動的な音楽ですが、

 このフィクションの演出は さらに感動を大きくします。

 指揮台に立っている ベートーヴェンは、

 演奏後の 聴衆の大喝采の音が 聞こえなかったと言われていますが、

 そのエピソードも 盛り上げられています。

 そして、この山場の 名シーンの後も、ベートーヴェンとアンナは

 激しくも いとおしい 関係を深めていきます。

 病に冒されて 痛ましい最期を迎える ベートーヴェンに、

 家族のように、恋人のように、寄り添うアンナでした。

 
 実は僕は、ベートーヴェンの大ファンです。

 拙著にも書きましたが、かつて僕は 大きな挫折の時期がありました。

 そのときに救ってくれたのが ベートーヴェンの音楽であり、

 ベートーヴェンをモデルにした小説 「ジャン=クリストフ」 (ロマン=ロラン) でした。

 座右の書 という以上に、僕の 「魂の書」 というべきものになっています。

 「苦悩の英雄」 である ベートーヴェンでしたが、

 この映画によって ベートーヴェンは、

 もっと身近な 人間らしい存在に なったような気がします。