蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

シンパシイ・Sympathy「共感」と言う事について

2010-07-22 02:42:42 | 日常雑感
7月21日(水)晴れ。猛暑の一日
 
 今朝8時半、、車のラジオで武田鉄矢の「朝から三枚おろし」という番組を聴いた。時々聴くのだがこれがすこぶる面白い。武田鉄矢の声色を真似した声帯模写が秀逸。いつも感心する。
 しかし、いくら 海援隊坂本竜馬に惚れたって、NHK大河ドラマの勝海舟役は戴けない。さすがにお歳は隠せない。海軍操練所頭取か何かの当時の勝の年齢は39歳かそこらの男盛りの筈。それが現在確か還暦を迎えたと自らのたまっている武田鉄矢が演じるのはどだい無理があり、どっちらけである。

 それはともかく、ラジオでの僅か10分間足らずのその語り口は、実に絶妙である。大体が内外の武田鉄矢がみつけた新刊本の紹介であるが、よく読みこなされていて簡潔で要を得て、こちらの頭にそのエキスが入りやすい。
 さすが福岡教育大教育学部出身のことはあると感心した。
 
 ところで前置きはこのぐらいに、今日の放送の内容は、標題の“シンパシイ・Sympathy「共感」について”であった。肝心の著書名は聞き漏らした。

 話はこうである。
 ラットの実験で、1匹の方にはスイッチを押すとその度に美味しいレバーがご馳走になれる。それを一定期間来る返して条件反射を覚えこませる。そうしておいてから今度は隣のゲージにべつのラットを入れておいて、今度は、一方のラットがご馳走にありつける都度に、隣のラットにはそのたびに電流を流して苦痛を与える。すると、ご馳走をもらえる方のラットが食べるのを止めてしまうのだという。

 実験者は、ラットではなく、もう少し高等な動物をと赤毛猿で試みたところ、やはり餌をもらえるほうの猿は食べるのを12日間も我慢してついに衰弱死しそうになったところで、実験中止を余儀よぎなくされたという。

 つまり、ラットや猿であっても、他人の苦痛に共感する本能というか気持ちのようなものが、存在しているらしいのだそうだ。
 しかもこの傾向は、オスよりもメスの方が顕著であるという。つまりオスよりもメスの方が他者への共感力、他者の苦痛を思いやる能力に優れているらしいのだ。メスの方が優しいのだ。
 
 これを、聴いていて直ちに思った。万物の霊長を嘯く思い上がった我々人間様はどうだろうかと。
 全くラットやアカゲザルの対極にあるではないか。平社員が何か事あればリストラされるというのに、最高責任者の社長は何億という報酬を得て当たり前。これでも日本は世界の先進国の中では下のほうだとか。

 格差、格差の今の社会。自殺者が毎年3万人ベースで推移するというのに有効な手も打たれな い。
 今や、我々現代人は、ラットやアカゲザルにも劣るという事ではないだろうか…。

と、そんなことを思って、私は思わずニヤリとしてしまった。
 

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