![]() | インドクリスタル |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA/角川書店 |
図書館本。
恥ずかしながら、これまで篠田節子さんの存在を知りませんでした・・・。
いや、これは面白かったです。
文字通り、インドのクリスタル、水晶をめぐるお話です。
まあ、短い文章でつなぐ著者、というかこの本の文章のスタイルが小気味よいです。
なんたろう、高村薫ほどの「重さ」けは感じないけど、池井戸潤ほどのシンプルな心地よさもないという感じでしょうか。
電子部品材料の中核的材料としての高品質の水晶を求めて、インドの「田舎」に踏み入っていく主人公。
その中で出会った不思議な少女、彼女がもうひとりの主人公です。
インドという異国の文化や習俗、その価値観などを私たちは知りません。感覚的にもわからないです。
そこを丁寧に描くことで、結果的に私達は価値観や文化の多様性とその意味について考えることになります。
無論、簡単に結論が出るようなことではありませんが。
これは原作の味を生かして映画かドラマにしてほしいです。
主人公の男性と時任三郎さんとか真田広之さんとか、イメージできる人はわりとあるように思いますが、
少女の方が思いつく人がいないです。インドの現地の人だから、それは当然かもしれまんが。
この作家さんの本、他のもちょっと読んでみます。