goo blog サービス終了のお知らせ 

Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

本来存在しない場所

2010年01月27日 | 社会
昨日の読売夕刊。
私の好きな池田清彦氏のコラム「メスの流儀」から。
”カッコウのメスは、モズやオオヨシキリ、オナガの巣に托卵する。
巣の持ち主のホストの卵を一つ取って、かわりに自分の卵を一つ産む。
ホストの卵より、わずかに早く孵化したカッコウのヒナは、
ホストの卵やヒナを背中に乗せて次々と巣の外に落としてしまう。
なんとそのために、背中が少しくぼんでいるのだ。”

うわ…
カッコウの托卵については知っていましたが、
ヒナの背中にくぼみがあるとまでは知りませんでした。
卵から孵ったばかり、まだ目も開かないで震えている赤い裸のヒナが
(子どもの頃文鳥を飼っていたので、少し詳しいのです)
誰に教わったわけでもないのにそんなことするなんて…
今更ながら、生物の本能って凄いですねえ!

この記事から、ついでに連想したことがあります。
70年代の有名なアメリカ映画、「カッコーの巣の上で」という作品。
ジャック・ニコルソン演じる主人公が、患者の人間性まで剥奪しようとする精神病院
から自由を勝ち取ろうとする内容です。
若い頃、非常な衝撃を持ってこの作品を私は観たのですが
この不思議な題名はどういう意味なのだろう?と調べてみたことがあるのです。
原題は”One Flew Over the Cuckoo's Nest”。
直訳すると、「一人がカッコーの巣から飛び立った」か。
出典はマザーグースの詩の一説なのだそうです。

辞書によると
cuckooには「ばか者,まぬけ,気の違った者」、cuckoo's nestには「精神病院」
という意味もあるらしい。
だから、体制化の精神病院から飛び立とうとした主人公を意味するのかな、と
なんとなく思っていたのですが…

今頃になって、とんでもないことに気がつきました。
托卵するということは
つまりカッコウは、巣を持たないという訳なのですね。
ということは、「カッコーの巣」には
「本来存在しない場所」というナンセンスな意味合いもあったのですね…

写真 旭山動物園のホッキョクグマ
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする