なんともつらい映画です。
83歳のアンソニー・ホプキンスが、ほぼ同年、同名の認知症の主人公役。
ロンドンで一人暮らしをするアンソニーはヘルパーとトラブルを起こし、娘のアン(オリビア・コールマン)が駆けつける。
アンソニーの認知症は少しずつ悪化しているのだが、当の本人はそれを認めず、生活に問題ないと言い張る。
しかし、頼りのアンは恋人とパリに行くと言い出して、段々と不安な気持ちになる。
ところが次の日には見知らぬ男が現れ、自分はアンと結婚して10年だと言う。
あろうことかアンソニーのお気に入りの高級マンション(フラット)を自分たちのものだと言い、アンソニーを追い出そうとする。
アンソニーはアンの妹ルーシーを溺愛していたのに、何故かルーシーはまったく現れなくなってしまった。
ルーシーに似た新しいヘルパーが気に入っていたのに、次の日にはまるで違う女がヘルパーとしてやって来る。
自分のお気に入りの腕時計を盗んだのは誰だ!?
83歳のアンソニー・ホプキンスが、ほぼ同年、同名の認知症の主人公役。
ロンドンで一人暮らしをするアンソニーはヘルパーとトラブルを起こし、娘のアン(オリビア・コールマン)が駆けつける。
アンソニーの認知症は少しずつ悪化しているのだが、当の本人はそれを認めず、生活に問題ないと言い張る。
しかし、頼りのアンは恋人とパリに行くと言い出して、段々と不安な気持ちになる。
ところが次の日には見知らぬ男が現れ、自分はアンと結婚して10年だと言う。
あろうことかアンソニーのお気に入りの高級マンション(フラット)を自分たちのものだと言い、アンソニーを追い出そうとする。
アンソニーはアンの妹ルーシーを溺愛していたのに、何故かルーシーはまったく現れなくなってしまった。
ルーシーに似た新しいヘルパーが気に入っていたのに、次の日にはまるで違う女がヘルパーとしてやって来る。
自分のお気に入りの腕時計を盗んだのは誰だ!?
そう、これは認知症のアンソニー目線で描いた世界なのです。
事実と幻想が交差し、過去と現在が入り混じり、ここは何処?私は誰?あなたは誰?状態。
これは怖いなあ…
観ている我々は、アンソニーと共に混乱し、途方に暮れることで、認知症の恐怖を切実に感じてしまう。
広い玄関ホール、まっすぐに奥に続く廊下の両側に並んだドア、突き当りのドアを開ければアンソニーの寝室。
この廊下のシーンが度々登場するのですが、時にドアを開けると、違う部屋が現れる。
この演出が実にうまい。
この話、一体どうやって着地するのだろう?と重苦しい気持ちで観ていくと…
まさかあそこで終わるとは。
そりゃね、認知症は治らない病気なのだから。
我々はその事実を粛々と受け入れるしかない。
認知症を疑似体験できるという意味では、得難い映画です。
「羊たちの沈黙」でレクター博士を怪演したあのアンソニー・ホプキンスが、等身大の認知症の老人役とは。
本年度アカデミー賞主演男優賞・脚色賞受賞。
公式HP