村上春樹の「1Q84」に出てきたことで有名になったヤナーチェク、
そのオペラ「イェヌーファ」を新国立劇場で。
こちらでは初上演、チェコ語での公演は日本でも非常に限られているのだそうです。
薄幸の娘イェヌーファは、恋人シュテバに捨てられながらも、その子を産み落とす。
継母は自分の名誉、娘の幸せを想って、その赤ん坊を氷の河に捨てる。
シュテバの兄ラツァはイエヌーファに求婚するが、結婚式の日に赤ん坊の遺体が…
チェコの寒村で実際に起きた事件を基にしているというこういった話は
時代や場所を変えても、やっぱり悲しい。
チェコの農村が舞台の筈にしては現代設定、心理劇のような舞台となっており、
男性の衣装は現代サラリーマンのようなスーツ、女性はあか抜けないスーツやワンピース。
特に第一幕は、招聘組の主役級はともかく、そうした人たちがゾロゾロと舞台に溢れて
踊るでもなく棒立ちだったり、どうなることかと思いましたが、
第二幕、第三幕とどんどん引き込まれました。
あのシンプルな演出は、ドイツのオペラ専門誌で年間最優秀演出家に3回も選ばれた
クリストフ・ロイによるもので、今回のプロダクションもベルリンで絶賛されたのだとか。
幕間に新国立サイドの方と話をする機会がありましたが
今回、初めてのヤナーチェク、初めてのチェコ語での公演ということで
公演ギリギリまでドタバタだったのだそうです。
そりゃ初めてって、何でも大変だよねえ。
上演前のランチは代々木ヴィレッジの「コード・クルック」で。
こちらMr.Childrenやサザンオールスターズなど、数多くのアーティストの
プロデュースや編曲、ライブ演出などを手がけてきた小林武史氏の手によるものだそうで
敷地一杯に遊び心が溢れている。
推定樹齢500年というオリーブの大木や、100年に一度しか花が咲かないサボテンなど
珍しい植物があちこちに。
その一番奥のレストラン「コード・クルック」は大きな吹き抜けとなっており、
木の材質に囲まれた素朴なインテリアで、ライブ会場となる部屋も併設。
和のティストを取り入れた、優しい味のイタリアンでした。
代々木ゼミの隆盛期を知っているだけに、その跡地がこうなるとはと少々複雑な気分も。
「イェヌーファ」 http://www.nntt.jac.go.jp/opera/jenufa/
code kurkku http://www.kurkku.jp/codekurkku/