Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

まだ半信半疑

2021年06月27日 | 社会

足はまだ完全ではありませんが、母の手伝いで週末から岐阜に帰省しています。

昨日の新幹線の乗車率は4割といったところか。

思えば2年前の10月、やはり帰省で通った新横浜駅の構内は、ワールドカップ一色でした(写真)。

もう1ヶ月を切ってるというのに、まだオリンピックの気配もない駅。

本当にできるのだろうか?




そして五輪ボランティアへのワクチン接種のお知らせメールが、ようやく届きました。

一回目6月30〜7月3日、二回目7月31〜8月2日。

開会式は7月23日なんですけど。

先週さっさと大手町に行って正解でした。

本当に開催できるのか、やはり不安になってしまう。

上の写真はボランティアの帽子とIDカードをつけたタロウ。


コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最悪のシナリオ

2021年06月24日 | 社会

ようやく一日100万回ワクチン接種という目標が達成されたようです。
自分でも大規模接種会場でのスムーズな段取りを体験して、この勢いで接種が進めば、この秋頃には少しはコロナが収束するのではないかと淡い期待を抱いていたのですが。


専門家が描く最悪のシナリオという記事を読んでしまいました。
今後の感染状況によっては、東京五輪の途中で無観客となる可能性もあるというのです。
”最悪のシナリオとして、五輪開催中に東京の新規感染者が1日1000人を超えたら、その後1週間程度で2000人に、そして緊急事態宣言が発出されれば、大学のリモート授業は続き、運動会や修学旅行の中止がさらに増え、プロ野球もJリーグも無観客化し、『暗黒のトンネル』に逆戻りする。ワクチンによる集団免疫が期待できるのは、今の接種スピードで計算すると来年の1月か2月である”と。


そんなあ…
手探り状態で開くコロナ禍のオリンピック、そしてその後の日本は一体どうなるのか?
なんとか五輪が成功に終わってワクチンも進み、コロナも少しは収束に向かうのか?
あるいは開催中にとんでもないことになって世界中から非難轟々、感染者激増で日本中ボロボロになっているのか?
まるで先が読めません。
どうか、その最悪のシナリオが実現しませんように。


と思っていた所に、イギリスから嫌なニュースが。
今月11~13日にG7が開かれたコーンウォールで、新型コロナウイルスの新規感染者が急増しているのですって。
1週間当たりの確認数が70人から826人と今月初めの約12倍に達し、人口10万人当たりの感染者数は144.5人で、英国全体の平均値の1.5倍なのだそうです。
英政府はサミットとの関連性を否定しているということですが…
勘弁してください。


東京五輪、有観客開催へ コロナ悪化ならどうなる? 専門家が描く最悪のシナリオ

G7サミット開催地でコロナ新規感染者が急増 


コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち」

2021年06月23日 | 映画

1994年のリレハンメルオリンピックで、エース原田雅彦のジャンプ失敗で金メダルを逃した日本団体。
口惜しさをバネに長野五輪での金メダルを目指して頑張っていた西方仁也(田中圭)は、腰を痛めて代表選手から漏れてしまう。
裏方のテストジャンパーとして飛ぶことになるが、それは西方にとって屈辱的なものでしかなかった。



25人のテストジャンパーたちは、高校生、障害者を含む寄せ集め集団だった。
誰も見てくれず、拍手もなく、記録も残らない、彼らのジャンプ。
しかし彼らのテストジャンプがなければ、本番ジャンプは実地できない。
そして決勝当日、途中から猛吹雪となって競技の中止が進言され、そのままでは一回目を失敗した日本勢はまたメダルを逃してしまう。
‌25人のテストジャンパーが全員ジャンプを成功させたら試合続行ということになり、彼らは吹雪の中を踏み出した。

テストジャンパーの存在すら、私は知りませんでした。
影の立役者となった彼らの活躍だけでなく、西方の葛藤も正直な気持ちも映画は描いている。
リレハンメルでは俺が最長距離を飛んだのに…
原田が失敗しなければ、俺は金メダリストだったのに…
原田、落ちろ!また失敗しろ!とまで彼は念じるのです。
本当にこんな風に思ったの?ここまで描いちゃっていいの?と思うくらいですが、映画完成後の西方氏のインタビューを読んだら、「心の奥にしまっていた感情がそのまま映像になった」と。
聴覚障害がありながら参加した高橋選手も、唯一の女性テストジャンパーとして参加した女子高生も、実際に存在したのだそうです。
私は女だから絶対オリンピックには出られない、せめてテストジャンパーとして参加したいという彼女。
24年前はまだ女子スキージャンプの競技はなかったのですね。



この映画、本当は去年の6月に公開予定だったのにコロナで延期、今年の5月の予定が緊急事態宣言でまた延期。
ようやく先週末から公開となり、記者会見で感涙していた田中氏の姿には胸打たれるものがありました。
五輪開催に否定的な意見が多い中、このような作品を公開するのはあざといと言われても仕方ないとも思いますが、それでもビル35階の高さというスタート地点から黙々と飛び出していく彼らの姿、文句なしに泣けました。
しかし…吹雪の中、ギッシリ集まって歓声を上げる大勢の観衆たち。
いいなあああ…

公式HP 
西方仁也さんインタビュー 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最大一万人!

2021年06月21日 | 社会
今日、オリパラ組織委員会、東京都、政府、IOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)による5者協議が開かれ、五輪の観客数上限を会場の定員50%以内、最大1万人とすることを正式に決定したのだそうです。
なんと…
せめて無観客を期待していたのに。


緊急事態宣言は今日解除されたとはいえ、蔓延防止法に移行。
国民には寄るな騒ぐな飲むなといい、パブリックビューイングはことごとく中止、
飲食店には引き続き時短を求め、酒類提供も90分内とか19時までとか2人までとか散々注文をつけておいて
最大1万人って…!?




ここに来てワクチン接種が加速度的に増えてきたとはいえ、今日の時点で日本の接種率は17.6%。
高齢者の接種率は45.3%。
今日から職域接種も始まりました。
あと1ヶ月でどこまで伸ばせるのか…?


写真は二子玉川、多摩川の河辺に咲いていたジャカランダの花。
世界三大花木の一つと言われています。
二子玉川にこんな大きな樹があったとは。
この花が桜のように街中に一斉に咲くという、南アフリカのプレトリアに行ってみたいと思っていました。
コロナさえなければ…



コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週読んだ3冊「革命前夜」他

2021年06月20日 | 
「革命前夜」須賀しのぶ著。
東西ドイツのベルリンの壁崩壊の時代に、東ドイツにピアノ留学をした日本人眞山は、ドレスデンの音大で自分の音を求めてあがく。
才能あふれる友人たちに翻弄される中、ある時、教会で神の啓示のようなバッハに出会う。
その美貌のオルガン奏者に心を奪われるが、彼女は国家保安省の監視対象だった。
当時の東ドイツの物資の貧しさ、監視社会の絶望的な窮屈さ、友人さえ信用できない裏切りにつぐ裏切りの恐ろしさ。
”この国の人間関係は二つしかない。
 密告しないか、するか。”
映画「善き人のためのソナタ」や「東ベルリンから来た女」「僕たちは希望という名の列車に乗った」などで、ドイツ人の監督たちが緻密に描いてきた、触れると手が切れそうな緊張感あふれる世界がそこにあって驚きました。
経歴を見る限り、特にドイツに関係があるわけでもなさそうな著者の取材力や想像力に舌を巻きました。
大藪春彦賞受賞作。



「ときどき旅に出るカフェ」近藤史恵著。
主人公の女性は、元同僚の店主が旅先で見つけてきた珍しいスィーツなどを再現して出すカフェを見つけます。
苺のスープ、ロシア風ツップクーヘン、アルムドゥドラー(オーストリアのハーブソーダ水)、ドボシュトルタ(ハンガリーのバターケーキ)など。
そういったものを食べながら、主人公や店主の周りの人間関係の機微が描かれます。
トルコのバクラヴァの章では、こんなにも甘い食べ物が世の中にあることを知って、店主のスィーツに対する罪悪感が軽減されたというくだりで笑ってしまいました。



「スーツケースの半分は」近藤史恵著。
幸運をよぶという青いスーツケースにまつわる短編集。
三十歳を目前にした真美は、フリーマーケットで見つけた青いスーツケースに一目惚れ、衝動買いをしてしまう。
夫に憧れのニューヨークに行こうと提案すると、休みが取れない、定年後でいいじゃないかと言われる。
引っ込み思案だった彼女は夫の反対を押し切り、NYへ初めての一人旅を決意する…。
旅は勿論、楽しいことばかりではない。
この短編集の中でも、旅、それにまつわる人間関係のドロドロも、著者はクールに描いています。
食レポでパリを訪れたライターの悠子が、友人から紹介された女性に会うシーン。
”この子は、会話に棘を潜ませてくるタイプの人間だ。一見にこやかだが、隙を見せたら攻撃するつもりなのが、わかる”といった具合。
旅という言葉を借りた、女性たちの生き方にまつわる短編集です。
そう、一歩踏み出せば、誰だって何処にだって行けるのだから。
コロナ禍の今となっては、夢物語になってしまいましたが…。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 やればできるじゃん!

2021年06月19日 | 社会

昨日の午後、大手町の自衛隊大規模接種センターでワクチン1回目終了。
地下鉄の改札を出た所から50m置き位に係員が立って案内してくれ、広大な会場でも何千人もの人をテキパキと誘導。
本人確認、予診、接種、次回接種の予約と見事に流れて、30分ほどで終了しました。
やればできるじゃん!とつくづく思ってしまう。
これがあと1ヶ月早かったら、オリンピックももっとなんとかなったかもしれないのに。
接種直後は痛くも痒くもなかったのですが、夜になったら少々腫れと痛みを感じ、今日もそれが続いています。
あと、だるさも感じますが、それほど深刻なものではありません。


(ハンカチの花と紫陽花)

大手町のワクチンはモデルナで、2回目は基本5週間後なのだそうです。
2回目接種から抗体ができるには2週間かかると言われており、それではオリンピックのボランティアに間に合わないと訴えて、なんとか少し早目に入れて貰いましたが、4週間後の7月18日がやっと。
それ以前はもう満杯なのだそうです。
開会式は23日ですが…
まあ、打たないよりはマシだと思うことにします。
今回、接種券が届いてすぐに申込んで、最短が昨日でした。
先週までは高齢者のみ対象でガラガラだった大規模会場、64歳以下がOKになった途端に凄いことになったようです。
会場は物凄い人出でした。


写真は玉川高島屋のローズガーデン。

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大きな声で言えませんが

2021年06月17日 | 社会

いつ辞退しようかと迷いながらここまで来てしまい、オリンピック・ボランティアのユニフォームを受け取りに行ってきました。
ポロシャツ、ジャケット、パンツ、帽子、靴下、バッグ、マスクまで。
矛盾するようですが、私はまだオリンピックは止めた方がいいと思っています。
毎日、首相か都知事か誰かが今日はもう止めると言い出すのではないかと待っていました。
これだけケチがつき、これだけ避難轟轟の中でやるオリンピックというのも珍しいのでは?
大きな声でボランティアやります、と言えないのが悲しい。
でもやるからには誰かが手伝わなければならない。
開催されるのであれば、ちょっとでも手伝いたいと思うのも本心です。


しかし、その日までに私の足は本当に治るのか?
ホテル・オークラ旧館の会場まで取りに行ったら、もう足が少し腫れて痛い…
駅から少々歩くし、広い会場の中をあっちこっち移動したし。
まだ一ヶ月余あるので、その日までには治ると思いたいのですが
コロナ情勢といい、私の足といい、まーったく予測がつきません。


(懐かしいホテルオークラ旧館)

大体、ボランティア全員にワクチン接種することが決まったと新聞で読みましたが、具体的な話はまだ聞いていません。
1回目のワクチン接種から3~4週間、2回目の接種から2週間たたないと抗体はできないというのであれば、7月23日の開会式までもう待ったなしなのに。
ユニフォームを取りに来たボランティア・メンバーに片っ端から接種してくれてもいいくらいなのに。
あきらめて、自分でさっさと接種することに。
私の地域もようやく昨日、接種券が届きました。
かかりつけ医院が歩いて1分の所にあるのですが、1ヶ月以上待たされるらしいので、自衛隊大規模会場の予約を取りました。
明日です。

コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「Butter」木島佳苗事件

2021年06月15日 | 

2009年の木島佳苗の連続不審死事件を題材にしている小説というので、興味を持ちました。
若くも美しくもない容疑者に、男性たちは何故次々と殺されたのか?
スクープを狙って彼女を取材する女性記者、里佳は、拘置所にいる容疑者に何度も面会し、実家も訪問し、周りを丹念に調べ上げて彼女の心情に迫ろうとします。
東電OL殺人事件を描いた桐野夏生の「グロテスク」のようなものを期待したのですが、あそこまでの容赦のなさはなかったかな。
女の醜い部分を描こうとして、そのためらい傷に驚いて少々引いてしまったような印象があります。
とは言っても、欲望に忠実な容疑者と、取材する女性記者とその友人のコンプレックスまみれの内面をこれでもかとえぐって、ざらりとした後味の悪い思いが残ります。

”「男性は本来、ふくよかで豊満な女性が好きです。男性といっても、精神的に大人で裕福でゆとりのある本物の男性という意味ですが。痩せた子供のような体系の女性が好きだという男性は自分自身がなく、例外なく卑屈で、性的にも精神的にも成熟しておらず、金銭面でも余裕がない方が多いんです」
自分を受け入れない人間は視界に入れない。そうすれば、いつも自信満々でいられるという訳か。そうか、彼女につきまとう、樟脳のような匂いは、年配の裕福な男とばかり付き合っていた女特有のものだ。
どんなにブログで豊かな生活を見せびらかされても、少しも羨ましいと思えないのは、すべてが前近代的で、強者主導の記号化された富だからだ。”
これは、拘置所にいる容疑者の発言と、女性記者の思いです。

”「彼女を好きだというやつを、俺は同級生に一人も知らないんです。これだけ長い間、そばで暮らしていたのに、異性に好意を寄せられる姿を一度も見ていないというのは、ちょっと異常だと思いませんか?」
何の悪気もなく、彼は首を傾げた。
これだ、と里佳は目を見開く。
彼女が頑なに目をそらしてきたものの一つ。同年代の平均的な価値観を持つ男の、まっすぐで遠慮がないこうした評価だ。
同世代の異性の無関心は、最も辛いものだったのではないだろうか。”

こういった女の闘いが延々と続くのですが、最後がちょっと拍子抜け。
あくまでも木島事件を題材にしたフィクションということで、何処までが本当で何処までが創作なのか気になるところでもあります。
何故、題名がButterというのか?
それは読むと分かるのですが、バターと「ちびくろサンボ」に拘り過ぎているような印象も。
両者がしつこく出てきて、ちょっと食傷気味です。

「Butter」


コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自己責任

2021年06月12日 | 社会
(写真は川崎の妙楽寺で)
 
奈良県大和郡山市の矢田寺は紫陽花寺として知られ、通常なら7~8万人の観光客が訪れるのだそうです。
住職は散々悩んだ末、開花を待つ1万本の蕾をすべて刈取ったのですって。
観光客が殺到して密になるのを防ぐために、 昨年に続いて今年も。
1万本とは、あまりにも悲しい。


4月初めに骨折した私の足は随分回復してきて、今では何もしなければ痛くも痒くもありません。
しかし、少々歩き過ぎたり、少しばかり運動すると、途端に腫れて鈍く痛む。
昨日、整形外科でレントゲンを撮ったら、2ヶ所のごく小さな剥離骨折のうち、1ヶ所はまだくっついていませんでした。
剥離骨折はくっつかないということもあるというので、それほど気にしなくてもいいらしいのですが。
まだ少し腫れているということで、医師が足の甲周りを計ってくれたら、右21.5㎝、左20.5㎝。
1㎝も違っていたなんて。
一番の関心事は、もう運動してもいいかどうかということだったのですが、昨日の先生曰く(そこの整形外科は毎日医師が変わる)、自己判断でそろそろ動き出してもいいでしょう、これ以上悪くなることもないでしょうからと。


だからといって、すぐに飛んだり跳ねたりできる訳ではありませんが、そう言われてずいぶん気が楽になりました。
当初全治3ヶ月と言われ、となると今月いっぱいはまったく無理かと思っていたので。
余計難しいとも言えますが。
自己判断は自己責任ということでもあるのですから。


ワクチン、高齢者にはどんどん進んでいるとはいえ、自分にはいつのことやらと思っていましたが、私の地域は明後日14日から65歳未満にも配布ですって。
おまけに五輪のボランティアに全員接種という声も出てきたので、思ったより早くなりそうです。
ようやく希望の光が…

コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「HOKUSAI」

2021年06月10日 | 映画

「富嶽三十六景」など3万点以上の作品を描き残したといわれる葛飾北斎の生涯を、柳楽優弥と田中泯主演で映画化。
町人文化全盛の江戸、若手絵師の北斎(柳楽優弥)は無作法な素行で師匠に破門され、貧乏長屋で孤独に描いていた。
喜田川歌麿を世に送り出した版元の蔦屋重三郎(阿部寛)に才能を見出され、描いてみろと言われるが、作品を何度持って行っても、絵の本質を捉えていないと中々認めて貰えない。
焦り苦しむ中、東洲斎写楽という更なる若手が突然現れて、世の人気をさらう。
口惜しさにもがき、江戸を飛び出して自然の中を遮二無に彷徨う北斎。
海の中に入っていき、大波に呑まれる寸前に、あの波の絵の構図が浮かぶ…



活気ある江戸の下町、吉原の艶やかな廓、波の先の壮大な富士山。
大画面が息を呑むほどに美しい。
町人文化が息づいていたとはいえ、幕府は風俗を乱すものと娯楽を敵視し、とりわけ歌舞伎と出版物を厳しく弾圧していた。
表現の自由を求めて描き続ける晩年の北斎を演じるのは、舞踏家の田中泯。
70歳を前に脳卒中で倒れ、半身が震える不自由な身となりながら、片足を引きずりそれでも一人旅に出る北斎。
人生50年の時代に「富嶽三十六景」を描いたのは、70歳を過ぎてからだったのですね。
あの「怒涛図」が描かれたのは、なんと85歳の時です。



北斎の人生の断面を幾つか切り取って繋いだという感じの作品です。
90回以上引越したというエピソードや、一人娘お栄との絡みをあまり取り上げなかったのは残念。
全体に淡々と描かれ、ものすごく感動するというものではありませんが、
「時代のせいにするな、己の”好き”を貫け!」という稀代の天才のメッセージは伝わりました。
日本文化にそれほど詳しいとも思えないような外国人が、Hokusaiのことはよく知っていて驚いたことが以前、何度もありました。
米LIFE誌“この1000年で偉大な功績を残した100人”に選ばれた、唯一の日本人でもあります。


(怒涛図)
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする