活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

ジェット空中戦

2005-04-15 | 文庫
 第二次大戦末期に登場したジェット戦闘機のドッグファイトの歴史をつづった本。事実上最初のジェット空中戦は朝鮮戦争でこれは米軍(正しくは国連軍)の勝利なのだが,その後米ソ軍拡時代にあって兵器は目覚ましく進歩したのですね。この本ではフォークランド紛争までを扱ってますが,80年位までは空中戦では空対空ミサイルと機関砲とが併用されてました。ミサイルの信頼性もまだまだ低かったというのがあるし,古い戦闘機がけっこう残っていたのですね。その後電子兵器は飛躍的進歩をとげ,現在では航空機といえども単独で敵目標を認識するというより早期警戒機と通信衛星を使った総括的指揮下において戦われるようになっているから大分様変わりです。それに空対地ミサイルの精度も上がったから,爆撃攻撃も巡航ミサイルに変わっています。何しろ飛行機が撃墜されるということは物的損失もありますが,育て上げたパイロットを失うという損失の方がはるかに大きい。ところでこういう本をどういう態度で読んだらいいのかという疑問もあります。ゲーム感覚で空中戦話を聞くというのは楽しいけれど,この実話の影には多くの人命が失われているわけで,複雑な気持ちなってしまうのも事実です。

「ジェット空中戦」木俣滋郎 光人社
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