学生の頃はバンドをやっていたこともあって、音楽は大好きですし、音楽業界に行ってみたいというささやかな希望もあったこともあります。ヒットソングにも敏感な時代がありましたが、昨今はそもそもヒットソングというものがあるのかないのか。CDの売り上げは全盛期の半分以下となり、音楽業界はどうなるのか、という声もありますが、実はCD売り上げと背反するようにライブの動員が10年代は一気に伸びました。自分が学生の頃はメディアと言えばラジオかテレビか雑誌。ここから情報を取るしかなく、またお茶の間というのもまだ存在していて、家族でヒットソングを味わえる頃でした。現代はご存知のネット時代。メディアは個に張り付くようになり、家族で共有する音楽が無くなりました。それだけではないのですが、ヒットソングが最近耳にしなくなった理由がその辺にあるらしいです。ちなみに、CD売り上げだけを見るとこの5年間はAKB48が独占していて、では国民皆がAKB48の曲を共有しているかというとそうでもなく、握手会や総選挙の権利を欲しいファンが一人で何枚も買った結果です。CDを買うとポスターが付いてきた時代に生きてきた自分としては、握手会券にCDがおまけになっている感が時代を感じさせてくれます。知らないバンドや歌い手があまりに多い音楽番組を見て、いまのギョーカイはどうなっているのか、と、ヒットの崩壊という新書を読んでいますが、だいぶ構造がわかってきました。
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