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天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

仁木英之『先生の隠しごと~僕僕先生』

2015-05-26 22:32:22 | 
先生の隠しごと 僕僕先生 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


シリーズ5冊目。実は先に6冊目を読んで「ん?おっかしいなー」と思ったら1冊飛ばしていた次第。
いつもの僕僕先生ご一行様の旅、今回は先生が当地の王と結婚すると言いだして…。

かわいい女の子、僕僕先生は仙人なので実年齢は神話の世界以上、弟子である王弁は元ニートで先生大好きだけどダメダメくん。それでも、物語の中で成長していっています。僕僕先生が結婚すると決めた相手は誰もが等しい理想郷を作ろうとしている若者。でも、うさんくさい?
僕僕先生はその結婚相手と似た人と大昔親しかったようで…。
ネタバレになってしまうから書けない部分で沢山切ない展開があり…うぅ…。
理想郷はきれいな世界ですがそれに反するものは排除されてしまう。ファンタジーを描いてはいても中国文化に精通した作者が描く世界に様々なことを重ねてしまうのです。
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群ようこ『ゆるい生活』

2015-04-10 22:20:35 | 
ゆるい生活
クリエーター情報なし
朝日新聞出版


群ようこさんの漢方養生体験記。
めまいに襲われた群さんが漢方薬局の先生に出会い、漢方を飲み、リンパマッサージを受けたうえで生活を変えて養生していく内容です。
タイトルは“ゆるい”ですが、養生のために大好きな甘いものを絶つ、減らすとなかなか根性のいる内容です。ゆるいのは切った張ったの治療じゃないのでじっくり時間をかけて生活を変えていってるところでしょうか。
群さんが素直に先生(医者ではない)の言うことを受け入れ、自分でも体と症状の相関関係を考えているからこそ、効き目があることが語られているのはなかなかいい事例。漢方効かなかったって、そういう根底にあるものを変えなければ改善できませんからね。
それにしてもこの先生のリンパマッサージを受けてみたいと思ったのですが、ちゃーんと紹介はできませんと巻末に書いてありました。
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青山由香『奇怪ねー台湾』

2015-03-26 22:50:28 | 
奇怪ねー台湾
クリエーター情報なし
東洋出版


内容(「BOOK」データベースより)
先の心配をせず、豪快に、自由に、勢いよく、新しいことに取り組むのが台湾人。先見の明を持って、過去のデータをもとに緻密な調査と万全な準備で、しっかりと予防線を張ったうえで先に進むのが日本人。さらに失敗に慣れっこで、テキトーに取り繕うのが台湾人。やる前に、失敗を恐れて疲れちゃうのが日本人。日本人よ、もしも人生つらいなら、台湾へおいでなさい。日本にあって、台湾にないもの。台湾にあって、日本にないもの。日本と台湾、人間ウォッチング。


かの地に住む日本人の台湾っておもしろいよねー、という本。
これ日本で出版しようとしていたけれど先に台湾で発売されて大ヒットしたそう。
なまみはものすごく愛にあふれてはいるけど、「バカにされてるって思われへん?」と面白いという意味でぎりぎり。愛があるのが分かっているので台湾の人らも。うっひゃー(笑)となったのでしょうか。そういうことを踏まえるとあらためて台湾人のふところの深さが分かります。

できるもんなら私も全部捨てて台湾に行きたい、思わなくもないのですが。てへ。

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玉岡かおる『お家さん』

2015-03-25 21:56:08 | 
お家さん〈上〉 (新潮文庫)
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新潮社


あらすじ
大正から昭和の初め、日本一の年商でその名を世界に知らしめた鈴木商店。神戸の小さな洋糖輸入商から始まり、樟脳や繊維などの日用品、そして国の命である米や鉄鋼にいたるまで、何もかもを扱う巨大商社へ急成長した鈴木──そのトップには、「お家さん」と呼ばれる一人の女が君臨した。日本近代の黎明期に、企業戦士として生きた男たちと、彼らを支えた伝説の女の感動大河小説。


不勉強ながら鈴木商店を知りませんでした。だって、いまそんな名前が残っていないんですもん。しかし、ですね、現在にもその鈴木商店の流れをくむ会社はたくさん存在しています。こんなすごい会社が神戸を基盤に世界をむいていたなんて!
その会社を動かしていたのは番頭さん。そして、君臨していたのは女社長。女性に参政権すら認められていなかった時代、女社長は経営には口出さず、いわば象徴として存在します。そのため、主人公の働きとしては私は少し物足りない。
それをもってしても描かれる歴史的事実には圧巻です。

台湾統治の光と影、民衆を扇動するマスコミ、そして神戸の街を揺るがす焼き討ち。もっとも会社が成長するのはひとりの番頭の力によって。そして、その終焉は番頭がまだ力を持っていた時に起こります。なんてめまぐるしく動いた時代でしょうか。
台湾に行くのですらひと月かかった頃に、神戸でそして遠くロンドンで世界を相手に商売を次々成功させたというこのスケールの大きさ!

鈴木商店焼き討ちについてもう少し突っ込んで読んでみたいと思います→城山三郎『鼠―鈴木商店焼打ち事件』 (文春文庫)という本があるようだ(備忘録)。
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川名壮志『謝るなら、いつでもおいで』

2015-03-16 23:14:28 | 
謝るなら、いつでもおいで
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集英社


内容(「BOOK」データベースより)
友だちを殺めたのは、11歳の少女。被害者の父親は、新聞社の支局長。僕は、駆け出し記者だった―。世間を震撼させた「佐世保小6同級生殺害事件」から10年。―新聞には書けなかった実話。第十一回開高健ノンフィクション賞最終候補作を大幅に加筆修正。

2014年3月に出版されたノンフィクション。
「少年事件は楽に数字を取れる」が招いたことこの記事をきっかけに読みました。
著者は被害者家族と近しい場所にいたために単なるドキュメンタリー以上にその被害者、加害者家族の内面に踏み込んでいるように感じました。
ですので、突然娘を亡くした父親の動揺、部下の視点に非常にリアリティがあり、胸が締め付けられる思いでした。
非常に丁寧に描かれていくのは事件の概要だけでなく、その後の家族たちです。
第二部は被害者の父親、加害者の父親、被害者のすぐ上だった兄を追います。
国が親の代わりとなり道を誤った子たちたちを導かなくてはならない国親思想。少年法のよりどころとなる「可塑性」。
普段聞きなれない言葉ですが、法律に基づく思想の懐の深さを知りました。子どもたちはまだまだ変容の途上とあるため大人と同じ法律で裁かれるべきではない、また、国が親となるということ。
犯罪を犯してからそれらに関わるのではなく、その手前で迷う彼らの救いへの道がもっと存在しており、それが確かなものとして認知されるべきではないのでしょうか。

タイトルは成人したお兄ちゃんの言葉です。字も。
被害者と歳が近く仲がよかったお兄ちゃんはその悲しみを抱え、誰にも吐き出すことができなかったそうです。
加害者の少女とも仲の良かったお兄ちゃんは「どう反応していいのか困りました」と言います。彼は妹と彼女との間のトラブルを知っていたし、またそこまでの問題になるとも思っていなかったのです。

非常にセンセーショナルな内容です。立ち止まれるところがあったのか分からないのです。どこで犯罪を止められたのか。
なぜ?の答えは見つかりません。

でも、お兄ちゃんの語る話に未来があるのです。
「謝るなら、いつでもおいで」


※加害者の弁護士の方が無償で経済的に困難な加害者家族を無償で支え、また被害者側の弁護士とも連帯し、両家族のケアにあたったそうです。犯罪は裁くだけで終わらず、このように周辺で支える方々により「その後」が変化していくということが感慨深いです。
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そして人生は続いていく@『砂漠のわが家』

2015-02-14 22:13:53 | 
砂漠のわが家
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幻冬舎


ツイッター/ブログからの書籍化。
アラブでかの地の旦那様と暮らす日本人女性の撮影したわが家の動物たちの写真。ツイッターでたくさん写真を見ているのに紙ベースの本を買ったのは、やっぱりじっくり見たいから。それにそれぞれがこの家に来た背景についても書かれているということだったので。
いまや200匹の大所帯。
なかでもよくツイッターにでてくる猫、ウサギ、ハト、ラクダたちが気になります。最初に飼いだしたきっけかは捨てられていたこと(ラクダとかは違うようですが)、身を寄せ合う姿はまさに大家族です。

ブログはこちらはなもも別館

本の最後に書かれていたことば「そして、人生は続いていく」、言葉は少し違いますがイランの映画監督アッバス・キアロスタミの映画を思い出しました。

うん、そうだ。そして、人生はつづく。
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ポール・オースター『ガラスの街』

2014-11-27 21:46:15 | 
ガラスの街
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新潮社


落語ツアーやらお稽古やらが続くと読書ペースが落ちてしまします。
という訳でかばんに入れっぱなしで二週間とプラスでやっと読了。
ポール・オースターの小説第一作。

探偵小説を書いてる作家がある電話をきっかけに非日常の世界に入りこんでいく…。小説家はある日「探偵のポール・オースター」と間違えた電話を受ける。ふとした好奇心からその依頼を受けるのだが。
ミステリーのような展開。
そして、読み手にとって主人公に確かなものがない。ように感じる。
これはミステリーではない。
謎が解かれるのではなく、不確かな何かに読み手ともども巻き込まれていくような。

物語としては面白いのですが、ミステリ仕立てと明らかにならないこの不安定さは書きなれた作品から読み始めたものからすると…ちょっと理不尽でした。

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ポール・オースター『ブルックリン・フォーリーズ』

2014-10-03 20:48:02 | 
ブルックリン・フォリーズ
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新潮社


2006年に書かれた作品。
最初はふーんという感じでイマイチ乗れなかったのですが(それはスタートの設定がかなりマイナス的なことが多いから)、途中の展開から愉快になってきて読書ペースがあがり読了。
初老の男が死ぬ場所を探すために~が物語のスタート。長年連れ添った妻とは離婚し、娘にも絶縁され、偶然あった甥っ子は大学院をやめて太った古書店の店員になっていた。うむ、これは読みにくい。
ところが、ですね甥っ子の雇い主・ゲイの店主がでてきたあたりからぐんぐん物語が盛り上がってくるんです。ちょっとダメなところがあったり、いや、かなりダメなところがあったり、間違えたり、罪を犯したいろんな登場者が主人公のまなざしの中でイキイキと描かれていて、葬式のシーンでドラッグクイーンが口パクショウをしたあたりは電車の中で泣きました(なんのこっちゃ分からんでしょうけど)。
ちょっとずつそれぞれのエピソードが集約されていき最後に描かれているのが…。

ああ、そういうことか。
それぞれ、そう、それぞれ。
市井の人たちそれぞれに人生がある。
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玉岡かおる『銀のみち 一条』(上巻、下巻)

2014-09-26 17:10:14 | 
銀のみち一条〈上巻〉
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新潮社

銀のみち一条〈下巻〉
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新潮社


内容(「BOOK」データベースより)
但馬国と播磨国を分ける山の分水嶺に位置し、千二百年もの間、日本に銀をもたらし富を与えた生野銀山。明治半ば、その町に生まれ合わせた女たち、男たち。東京帰りのハイカラ女学生・咲耶子。町いちばんの美貌の芸妓・芳野。そしてまっすぐな心ばえの女中・志真。彼女たちの瞳の先にいたのは、雷太という数奇な生いたちの、銀山一の坑夫だった―。明治の女たちの葛藤や哀しみを圧倒的な筆致で描き出す恋愛長篇。

『負けんとき』が面白かったので、再び玉岡かおるさんの作品を。
史実、実在の人物に基づいていた『負けんとき』は、実際のことを優先しているために想像が入りこむ余地が少ない部分があったように思えましたが、こちらは舞台は実際の場所としながらも想像上の人物たちが登場者ですので想像で造形されたものはまた読者も想像しやすいのではないかと感じました。
ストーリーはいくつもの支線をはらみ二本、三本と交差していきます。
なかでも“女性”の生き方が印象に残りました。

咲耶子は、生野から東京の師匠のもとで文学を学びますが、男と出奔。結婚は許されず親元に戻されます。
紆余曲折の末、男をあきらめ嫁いだ炭鉱の技師には辛く当られた上に性病をうつされ子どもを産めない体に。これでも女からは離縁できないのです(不名誉なことは公にできないし、ううぅ~、イライラするぅ~と読み進めましたよ)。
一方、芸妓・芳野は幼馴染の坑夫・雷太のことが好きなのですが、家のためにも歳の離れた夫に見受けされる。芳野の覚悟を読んでいるとだんだん艱難辛苦を乗り越えて雷太と再び…とは思えなくなりその身の行く末を見届けたい気持ちになっていきました。
女性が家のものであった時代、また労働者に権利がなかった時代、時代の変革のうねりとそれぞれの生涯。
鮮やかな作品でした。

さて、平安時代に開坑されたといわれている生野銀山(兵庫県)は1973年3月22日、1200年の歴史を閉じたそうです。ちょうど私が生まれた頃です。
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玉岡かおる『負けんとき(上下)ヴォーリズ満喜子の種まく日々』感想その2

2014-09-23 21:16:27 | 
負けんとき 下: ヴォーリズ満喜子の種まく日々 (新潮文庫)
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新潮社


下巻は長いアメリカ留学から日本に帰国した満喜子、そして日本で根を下し活動していたヴォーリズが寄り添って生きた半生について描かれています。
余談ですが、どちらも巻頭にお二人の写真が載っているのですがなんとなくお顔が似ているんですよね。
ヴォーリズはキリスト教の伝道のために来日し、生涯それを貫きますが戦時下には満喜子のためにも日本国籍を取得します。当時、日本国籍を取得するためには国家進神道への帰依を誓わないといけなかったそうです。ヴォーリズは日本人が自然の中に感じる神々の存在を認め、また自身の中で折り合いをつけていたのでしょう。彼の存在があったからこそGHQは天皇制を残した部分は大きかったようです。
さて、物語の主人公は満喜子。満喜子は今までの先進的な世界(女性が企業を動かしていたり、留学したり)から近江へやってきて夫を支えようとしますが、まわりと軋轢が生じまた戦争という時代に翻弄されながらも、幼児教育に尽力します。

折々、満喜子が打つ“大阪締め”が心地よいです。
満喜子の尽力した教育は近江兄弟社学園へ、ヴォーリズが福音を伝えるためにメンソレータムの権利を買って販売していた近江兄弟社、キリスト教の精神をもって運営されている一粒社ヴォーリズ建築会社が現在にも続いていますが、さらに!ヴォーリズのお母さんが今や滋賀の名産品となっているバームクーヘンの作り方を教えたそうですよ。

さて、上巻は関西学院の建物が表紙ですが、神戸女学院で長く教鞭を執られている内田樹先生が巻末でヴォーリズが建設した建物での生活について書かれています。改めてそうした建築物を巡りたいと思いましたよ。
ヴォーリズ建設のひとつ大丸心斎橋店が取り壊されることが決まりました。残念です。
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玉岡かおる『負けんとき(上下)ヴォーリズ満喜子の種まく日々』感想その1

2014-09-22 18:21:32 | 
負けんとき 上: ヴォーリズ満喜子の種まく日々 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


ヴォーリズ建築のことを耳にする機会があるので、明治から昭和にかけて外国人の建築家が日本、それも関西に在住してバリバリ設計していたのだという認識しかなく、それでも、その程度の知識しかない私でもあれとあれとあれとあれもヴォーリスが設計したものか、というほどいまも関西にその足跡は残っているのです。
私が不勉強でもあったのですが、ヴォーリズその人が当時から全国的に活躍し、今も各地にその建築物が残り、また日本に来たのはキリスト教宣教師として、そして終戦時には日本国にとって非常に重要な役割(ヴォーリズ・ファイル)を果たしたことを知りました。
本書は彼が主人公ではなく、その妻となった元華族令嬢の生涯を描いています。

まだ、華族籍というのが存在し、おいそれとは平民になれなかった時代。
女性は家に付属するものであり、女性の参政権が認められる前の時代に華族の身でありながら官立の女学校で学び、やがてアメリカ留学をする満喜子。
満喜子自身は従前の家制度からの脱却が一筋縄には行かず、なかなか外に飛び出し自分の足で歩いていこうとはできずモヤモヤとした生活を長く送るのですが、この生活の支えとなり多大な影響を与えたのが大坂の女傑“広岡浅子”
この人の生涯だけで間違いなく一冊の本になるし、ドラマになる。
浅子は京都三井家から加賀屋・広岡家に嫁ぎ、女性実業家として活躍。また、女性の教育にも尽力し、日本ではじめての女性のための大学、日本女子大学の設立にも奔走(余談ですが、我が母校も一行だけ登場)。
このキャラがいいんですよ。私のイメージは藤山直美。快活で夫を支え、新しい事業にも挑み成功させる。でも、まだ女性に参政権はない。その教えを受けた中には村岡花子や市川房枝がいたそうです。

浅子は満喜子の背中を押し、アメリカ留学へと旅立たせます。

満喜子が何もできないと思い悩み、また踏み出すべきときに踏み出せないジレンマ、また幼馴染への思いと決別など、内面のドラマに富んだ一巻でした。


広岡浅子(wiki)についてはこちら。
さて、なんだか気になって調べたら広岡浅子が設立に加わっていた大同生命でこんな催しが。
大同生命保険本社ビルにて「大阪屈指の豪商『加島屋』からの400年の歩み~大同生命の源流とその発展の歴史をたどる」開催中
企画展「九転十起生-広岡浅子の生涯」
9/30まで。
■開館時間 10:00~16:00(水曜日は19:00まで)■休館日 土・日、祝祭日
行けない…。

はたまた、今年はヴォーリズ没後50年にあたるらしく…。
~没後50年記念企画展『ヴォーリズ・メモリアルin近江八幡』~
ヴォーリズが60年を過ごした街、近江八幡で ヴォーリズ建築を巡る記念企画展を10月4日~11月3日開催!
プログラム
玉岡かおるさんの講演会が10/12にありますねぇ。でも、この日は行けない、残念。
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朝井まかて『阿蘭陀西鶴』

2014-09-16 21:51:12 | 
阿蘭陀西鶴
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講談社


直木賞受賞後第一作。もっとも注目される直木賞後の第一作の本作品に描かれている場所は大坂です。
そうですー、大坂なんですよっ!
※このブログを見てくださってる方には上方落語に耳馴染みがある方が多いと思っての呼びかけその1

10年ちょっと前には時代小説をまったく読まなかった私が今や上方落語を筆頭に浄瑠璃やら江戸時代の上方文化にどっぷりはまってるとはこれまた不思議。しかも、時代小説を読み始めたきっかけのお一人が朝井まかてさんでした。

大坂を舞台にした作品が少ない中、本屋で新刊のお知らせを見て小躍りしました。
主人公が西鶴!てことは、大坂が舞台やおまへんか?!
大坂を舞台とする時代小説に飢えている私は心躍らせレジに向かったのでした。
そして、読み始めると、
これが見事な大坂のことば。振り仮名も要チェックですよ、みなさん。

西鶴を盲人の娘からの視点で描き、またその人物像に迫っていきます。
時代の先頭に立ち、新しい文芸を築いた西鶴を娘から描くことによりドラマとしての情、そして、当時の大坂の風を感じる作品です。

史実をもとにした作品なので実在の人物もたくさん登場します。
なんといっても近松門左衛門!
※このブログを見てくださってる方には浄瑠璃に馴染みがある方が多いと思っての呼びかけその2
義太夫作家でもあった西鶴とからめてでてまいります。
それから、歌舞伎役者もでてきます。西鶴がひいきにしたという上村辰彌。今に続く上村の屋号の最初の頃の方です(二代目上村吉彌の弟)。なんだか、この時代を私も一緒に体験しているように思える絶妙の配置。
そして、忘れてはならないのが市井の名もなき庶民たち。
物語の最後の方にでてきます。この集まり、まさに落語的。
西鶴が感じ、筆にしたためた時代の空気は落語の中にまだ息づいているんだと胸が熱くなりました。

あ…文芸愛好家向きの感想じゃないなあ。お許しを。
いずれまた改めて感想書きます。たぶん。


学生時代のテキストをひっぱりだしてきました。実は論文に「日本永代蔵」を引用しておりまして、西鶴先生にはお世話になっていたんですよ、私も。
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高田郁さんのサイン会

2014-09-13 21:45:41 | 


先月「みをつくし料理帖」を完結させた高田郁さんのサイン会に行ってきました。
サイン会に参加したのは三回目なんですが、その時その時、やってきたファンに対してすごく丁寧に接してくださり、その度に「ああ、みをつくしを書かれた人やなあ」とうるうるするのです。

ひとりひとりとお話ししたいからとゆっくり時間をとってくださいましたので、漢方スクールの友達にすすめたらみんなはまりはったことをまずお伝えしたところ、広報だ!と喜んでくださり、またこの五年(一巻から完結まで)はどうでしたか?と聞いてくださったので「上方文化、漢方と自分が興味をもったこととリンクしていてすごく刺激をもらった」と思いの丈を。



サインをいただいてからラストのラストをちらっと読んで、もちろん再読ですが、涙ポロポロ。

…先生、特別編だすって!
(あとがきにもありましたが)
その時も紀伊國屋グランフロント店でサイン会するって!

その日を楽しみに!
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雲野はるこ『昭和元禄落語心中』6巻

2014-08-20 21:16:39 | 
昭和元禄落語心中(6) (KCx(ITAN))
クリエーター情報なし
講談社


なんと来年3月、8月に発売される7,8巻にはオリジナルアニメがつくそうですよ!もう予約受付がはじまっているようですけど、気になるのは「圧巻の落語シーンもたっぷり収録!!」というキャッチコピーです。誰がやるの?ねえ、誰が。

さて、新刊の内容ですが…新展開。割愛。
なんとも言えない不完全な人間な微妙な空気を描くのがほんとうにうまいなあ、と思います。でも、出たばっかりの新刊なのでそこいらを書くのは割愛。
この話では、落語「大工調べ」が取り上げられています。
啖呵、落語では後に笑いが続くんですが…泣かせます。
次巻、来年ですか。
予約しとこうかな…。
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樹なつみ『花咲ける青少年 特別編 5』

2014-08-14 21:44:07 | 
花咲ける青少年 特別編 5 (花とゆめCOMICSスペシャル)
クリエーター情報なし
白泉社


10年前に本編が完結した漫画の続編がさらに完結しました。
最初の連載開始は80年代だったので、いやはやずいぶん時がたったのに登場人物たちは歳を取らないですよ。
今回は本編のラストでそれぞれ家を捨てた花鹿と立人の時間が動きだすところが描かれています。
なんのかんのと言っても私は倣(ふぁん)一族が好き。悪役的な立ち回りのおじさん、含めて。
続編は前に4巻ありましたが、それは番外編的な感じでこれこそ続編の巻。
本連載の当時のファンの気持ちをくすぐるいろいろな仕掛けもあり。
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