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モンテッソーリ子どもの家アイアイ

愛知県刈谷市モンテッソーリ教室です。
子どもたちの主体的な活動を大切にします。
アメブロへお引越ししました。

第48回 モンテッソーリ全国大会(in奈良)報告

2015年08月10日 | モンテッソーリ学会(全国大会)

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https://ameblo.jp/kodomonoie-aiai/

モンテッソーリ全国大会in奈良でお知らせした通り、
奈良に行ってきました。

楽しみにしていた中村桂子先生の基調講演、やっぱりよかったです。
すべてお伝えはできませんが、記録しておきます。

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人間は、生き物であり、自然の一部。
人間だけが「進化」したわけではなく、
アリもバクテリアも人間もみんなそれぞれ38億年の歴史を持っている。
「地球にやさしくしよう」ではなく、
「地球にやさしくしていただきながら、他の生き物たちと生きる」
生命誌絵巻を見ると、その世界観がよく分かります。

車も米も子どもも作るというけれど、
車は設計図と部品があれば作れるが、米や子どもは作れない。
米も子どもも、38億年かかっている。
人間には作れない。稲は育ち、子どもは授かる。
機械と生き物は違う。
機械は速く、手が抜けるし、思い通りになるけれど、
子どもの成長は飛ばせないし、手を抜けない。
手をかけることに喜びがある。

子どもたちが農業にかかわることによって変わっていたというお話もされました。

豊岡小の子どもたちがコウノトリが来る町にしたいと
魚道を作るところから始めて、
大人たちを巻き込み、米づくりをし、
給食で自分たちが作ったお米を使ってもらえるように
市長さんに交渉したというパワフルな子どもたちの話。
豊岡市HPを見ると、継続した活動をされているようです。

喜多方市小学校では、農業科を作って、子どもたちに農業を教えているとのこと。
中村先生の
「小学校で大事なことは、株の扱い方よりも畑のカブのほうがいい」
という言葉がきっかけだったそうです。
子どもたちの作文から、
子どもたちがいろんなことを学んでいることを感じられました。
このことは、産学官連携ジャーナル
「小学校で農業を必修に」喜多方市小学校農業科の取り組み
に掲載されています。

近日、中村桂子先生が映画で観られます。
生命誌を紡ぐドキュメンタリー映画
「水と風と生きものと」
が各地で上映されるそうです。
名古屋は、シネマスコーレ
上映日:2015年9月26日(土)~10月16日(金)
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人間だけが偉いのではなく、生物多様性。
その中に人間も生かされている。
幸せとは…
とても深いお話でした。
自然の中に生かされている一人の人間として、
何ができるだろうかと考えさせられました。


その後のシンポジウムでは、「未来への責任」というテーマで、
4人の先生方のそれぞれの取り組みをお聞きしました。
研究発表は、どれを聞こうか迷ってしまいましたが、
どれも大変勉強になりました。

少しご紹介します。

名古屋の0~3歳の研修でお世話になった
福岡エミール保育園の江口先生の発表です。
園の先生方がたくさん聞きに来ていらっしゃったと思います。
園での行事が多くて、行事の練習に時間を取るため、
お仕事の時間を増やすことが難しいという園が多いと思いますが、
こちらの園では、子どもたちが自主的に動けるように工夫されていました。
そのため、子どもたちがとても成長したというお話をされていました。
モンテッソーリ教具がなくても、取り入れられる工夫だと思います。

生島恵先生は、お嬢さんの成長のお話をされました。
相良先生のご著書にもよく登場されています。
お嬢さんを見守る優しいまなざしや、
やりたい気持ちを環境を用意してサポートしてあげたこと、
その娘さんが20歳になり、感謝状のお手紙を送ってくれたお話…。
先生の優しい語りに、11歳の息子の幼い頃と重ね合わせ、
私は息子の気持ちに寄り添うことができていたのだろうかと振り返り、
まだ20歳まで半分あるのに、いつか旅立つ日が来るのだな…
と思ったら、思わず涙が出てしまいました。

それから、最終日の市民公開講座は、相良先生と生島先生のお話でした。
相良先生は、「知っているのと知らないのでは大違い」というテーマで
具体的な例をあげてお話されました。
子どもの敏感期を知ってからは、子どもの観方が変わります。
小さなお子さんがいらっしゃる方は、相良先生のご著書を
読んでいただけるといいと思います。

それから、展示即売会で新しい教材をいくつか購入してきました。
迷っているとすぐに売り切れてしまいますから、
今年は、「迷ったら買う!」で行ってきました。
新学期、子どもたちの反応が楽しみです

(果物は去年購入したものです)



今年も、素敵な先生方とお話でき、
IT勉強会の卒業生の方たちとの交流もあり、
とても有意義な全国大会となりました。
お会いできた方々、ありがとうございました。


さて、大会が終わり、
息子を預けている実家に帰ると、私の父が息子にと冊子をくれました。


息子は、ミニ図鑑を見て大喜び。
大きい図鑑には載っていない生き物も載っています。
私が「たんぼの学校」の方をパラパラと見ていると、
「あれ?見たことある…」

喜多方市小学校農業科って…と思い、ページをめくると、
そこには、中村桂子先生!!


父が、ボランティアで、地域の子どもと川で遊んだり、
田んぼで田植えを一緒にやったりするという話は聞いていましたが、
(実家は市外なので、息子は参加できず残念がっていました)
父の活動が、ここにつながっているとは、びっくりでした。

社団法人 農村環境整備センターHPで検索すると、田んぼの学校についても調べられます。
↓また、生き物図鑑は、種類は違いますが、こちらでダウンロードできます。
田んぼの生きもの図鑑
印刷するには枚数が多いので、
センターに問い合わせてみると購入できるかもしれません。

父は、子どもたちと関わる中で、
子どもたちはいいんだけど、
子どもを預けた後は、預けっぱなしで、
スマホばかりやっている親が多く残念だと言っていました。
(子どもと一緒に活動する親もいるそうです)

私自身、スマホを持ってからは、調べることが簡単にできるし、
つい頼ってしまうこともありますし、
最近では、息子も「スマホで調べて」と言ってきます。
私自身、子どもと向き合う時間も大事にしたいと思うし、
息子にもスマホとの付き合い方を伝えていかないといけないと思っています。


今回の「未来への責任」という大会テーマ。
重いテーマです。
これからの子どもたちに引き渡したい世界を作っていくこと。
今の大人である私たちに引き継がれたテーマだと思います。


来年は、2016年8月8日(月)~8月10日(水)広島県
大会テーマ『子どもと平和』です。
大会会場 リーガロイヤルホテル広島
基調講演 汐見稔幸
     「平和と教育」
     -21世紀にさしかかる時代のモンテッソーリ教育・保育への期待     

再来年は、日本モンテッソーリ協会(学会)創立50周年記念全国大会です。
開催日は、2017年8月8日(火)~8月10日(木)
大会会場 都市センターホテル

日本モンテッソーリ協会(学会)HPをご覧ください。


ぜひ、こちらもお読みください。
モンテッソーリ教育を初めて知る方へ
マリア・モンテッソーリ
モンテッソーリに関する書籍


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第47回モンテッソーリ全国大会報告

2014年09月25日 | モンテッソーリ学会(全国大会)

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大変遅くなってしまいましたが、
第47回モンテッソーリ全国大会の記録しておきます。


大会テーマ
「子ども一人ひとりのおもいを受けとめる」
日時:2014年8月6日(水)~8日(金)
会場:横浜みなとみらいパシフィコ会議センター


私が、特に印象に残ったのは、阿部真美子先生(聖徳大学児童学部児童学科教授)の特別講演でした。

「The Tao」の言葉を紹介されながら、講義をされましたが、
そのひとつひとつの言葉の意味について考えさせられました。

まだ取り寄せてないですが、↓だと思います。
The Tao of Montessori:Reflections on Compassionate Teaching
日本語版はないかもしれません。どなたか翻訳してください 

~The Tao 24より~
 子どもを否定することはしてないと思っていても、
 実は、我々と同じようになってほしいと思っているところがないか?
 我々が気に入っている教具に興味を示すとにっこりする
 というようなことはないか?

~The Tao 50より~
 教室は、常にサプライズ。
 期待通りに進んでいくなんていう日はない。あるはずがない。
 それが人生である。
 モンテッソーリ教師は事前準備なしにクラス活動を続けられない。
 だが、常にサプライズはある。
 予定を変更する精神的ゆとりを持っていれば、それ(偉大な冒険)に対して
 寛容になれるはずである。


講義の中から、家庭でも当てはまるかなと思うことをいくつか記録しておきます。

 ・日々子どもと楽しい気持ちを持ち続ける
 ・子どもが気づき発想する環境を用意する
 ・待つ保育は、立ちつくす保育ではない
 ・忍耐力を持って待つ、期待して待つ
 ・子どもはいつも意欲的ではない だから待つのです
 ・子どもを面白がって見る
 ・子どもの成功を承認する


その他、たくさんの研究発表の中で印象に残っているのは、
障がいのお子さんに関わっていらっしゃる先生方の発表でした。

音楽療法で障がい児と関わっていらっしゃる
みこころ子どもの家の 小島薫先生
 モンテッソーリ教師でもある小島先生は、
 障がいのあるお子さんがどこを困難と思っているのか、
 何に興味を持っているのか、よく観察されて、
 そのお子さんに合わせたサポートをしていらっしゃっていて、とても感動しました。
 特に、自閉症のお子さんと一緒に歌った「あしあしはだし」(谷川俊太郎・文)の
 即興の歌が、印象的でした。

健常児と障がい児との育ちあいを見守っていらっしゃる
国分幼稚園の鈴木先生
 全盲のお子さんが、みんなと一緒にリレーをすることになったお話でしたが、
 それは、そのお子さん一人ががんばったということではなく、
 健常児のお子さんたちも、そのお子さんと関わったことによって、
 大きく成長されたというお話に、とても感動しました。



最終日のシンポジウムでの相良先生のお話も記録しておきます。

「燃え上がるが燃え尽きない」(聖書 出エジプト記 3章2~6より)
 子どもが敏感期に燃え上がっているときに、土足で踏み込んではいけない
 燃え上がっている中で、何が起こっているか知ろうとしてはいけない
 それは、生命の神秘である
 それにふれた人から愛・平和を感じる
 子どもの高い資質を信じなければならない

思いを受け止めるとは、信じること

「今」を生きる子どもを見なさい
 


記録とは言っても、箇条書きですが、
お一人お一人の心に響けば…と思います。


IT勉強会の会員の方たちとの交流もあり、とても有意義な全国大会となりました。
来年は、奈良県。
大会テーマ『未来への責任』です。
今回お会いできなかった方とも、来年お会いできたらと思います。

 

ぜひ、こちらもお読みください。
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幼児期におけるファンタジーの意味(第46回モンテッソーリ全国大会より)

2013年08月02日 | モンテッソーリ学会(全国大会)

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7月30日~8月1日まで、
第46回モンテッソーリ全国大会in宮崎に参加してきました。

初めての参加でしたが、
先生方の講演会、興味深い研究発表など、とても勉強になりました。
もちろん、アイちゃん先生の発表も聞いてきました。
今まで以上に、お母様方にモンテッソーリを知っていただきたいと強く思いました


そこで、よくお母様方からご質問のあるファンタジーについての研究発表がありましたので、
簡単にですが、お知らせします。

発表されたのは、立命館大学准教授の岡本直子先生です。
先生は、臨床心理士、芸術療法士でもあり、心理学の方面から考察されています。
また、4歳の娘さんがいらっしゃいます。
岡本先生には、こちらのブログに掲載することの許可をいただいています。

モンテッソーリ教育に携わる先生方やお母様方は、ファンタジーについて
戸惑いをもたれている方が少なくない。一般園の先生方やお母様方には
このような戸惑いはあまり見受けられない。
そこで、ファンタジーの善し悪しの価値判断は別として、幼児がファンタジーで
遊ぶ場合にどのような現象が生じているか、危険性等がある場合はどうすればよいかを
モンテッソーリ教育に携わる皆で考え、共有していきたいということで発表されました。


過去の実験報告をもとに、考察されていました。

【実験報告】
1.「嘘をあげつらう対応」に対する反応タイプと年齢毎の事例数
2.「真に受ける」対応の直後の幼児の感情反応

以上の結果、幼児の年齢によって反応が変わることがわかり、
大人がどのように幼児にかかわっていけばよいかを
分かりやすく説明されていました。


それから、よく「8倍のスローモーション」がわからないという声をお聞きしますが、
アイちゃん先生の発表の中で、
8倍のスローモーションで…ということを、ただゆっくり見せるという映像と、
動きを分析してゆっくり見せるという映像を比較して、ご紹介されました。
これは、映像で見ていただくと、違いがよくわかると思います。
よくわからないという方は、IT勉強会「てんしのおうち」をご検討くださいね。



全国大会ということで、なかなかお会いできない先生方や初めてお会いする先生方からも
お話を伺う機会をいただき、よい刺激になりました。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

 

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【ファンタジーについての追記】
岡本先生の論文はこちらに掲載されています。
学会誌は、日本モンテッソーリ協会HPより購入できます。
学会誌45号2012「幼児期におけるファンタジーの諸相」
学会誌48号2015「幼児期における現実とファンタジー」

『モンテソーリの発見』E.M.スタンディング著 p498より
”六、七歳のこどもにとっては得るところのあるこうした話も、
二、三歳、あるいは四歳のこどもにとってさえ、それは意味の違ったものになります。
モンテッソーリによれば、この段階でこうした話をすることが、
こどもを深く傷つけるばかりか、永久的な傷を負わせることになるかも知れないのです。”
おとぎ話についての記載はp496~512をご参照ください。

 

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