藤井四段が幼稚園の頃、100個作ったと話題のハートバッグ。
作り方は、このブログでは紹介していないのですが、
アクセス数が増え、報道の影響力に驚いています。
作り方がいろんなサイトでアップされているようですが、
大人向けのものや、完成品をほどいて作り方を作成したものが多いようです。
本来は、子どもが一人で作れるように、型紙を準備するといった援助が
必要なのですが、そこが抜け落ちているものがほとんどです。
ですから、「本当に3歳のころに作ったの?」
と思われている方もいらっしゃると思いますが、
モンテッソーリ園では、お子さんの敏感期や発達段階に応じて、
段階を踏んで、お仕事を紹介していきますし、
一人でできるように手伝うための細かい配慮もありますので、
難なくステップアップすることができるのです。
ハートバッグは色画用紙、折り紙、フェルトなど
素材は、さまざまなものがあり、編み目も3列だったり4列だったりしますが、
藤井四段が作ったハートバッグは色画用紙で3列だったようです。
(列が増えれば難易度が上がります。)
でも、いきなりこれを作ったわけではありません。
それでは、どんな動きを獲得できていれば、
ハートバッグを作ることができるのでしょうか。
1.紙を折る(角を合わせてピッタリ折ることができる)
2.線を描く(型紙やメタルインセッツに合わせて線を描くことができる)
3.はさみで切る(線からはみ出さないで切ることができる)
4.格子編み(細い紙を交互に編み込むことができる)
など、ひとつひとつの作業ができるようになって、
初めて、組み合わせた作品を作ることができるようになります。
少しずついろんなことができるようになっていく過程は、
子どもは、とても集中しますし、また満足することでしょう。
モンテッソーリ教育は、その過程をとても大事に考えています。
そして、次に使う人たちのために、片付けまできちんとします。
作品がきれいにできたか、たくさんできたか、
は問題ではないのです。
藤井四段は、夢中になった結果として、100個作ったということですね。
ハートバッグに限らず、
藤井四段は、モンテッソーリ園でも、ご家庭でも
その過程をとても大事にされていたのだと思います。
私には、モンテッソーリ園卒の息子がいますが、
何に夢中になるかは、子どもによってそれぞれです。
園によっても紹介されるお仕事は異なります。
息子の園では、このハートバッグはありませんでしたので、
息子は、格子編みをよくやっていましたし、
幾何学立体というお仕事が好きだったそうです。
毎日、うさぎのお世話を一生懸命していたというお子さんや、
砂文字板を指から血がにじむほどやっていたというお子さんもいらっしゃいます。
私が学んだIT勉強会のアイちゃん先生のお子さんは、
ハートバッグは3個程度で、冠を100個作ってきたそうです。
他の子がしているからといって、自分の子も同じようにするとは限らないのです。
ハートバッグの材料を準備して作らせても、それほど意味はないのです。
大人ができることは、
お子さんの「やりたい」と思う環境を用意し、
それを十分させてあげられるよう見守り、援助し、
そして、集中を妨げないことです。
最近、藤井四段がモンテッソーリ育ちということが報道されて、
「モンテッソーリもフラッシュカードも、いろいろ取り入れています」
というお得感を出している教室なども出てきているようですが、
本来のモンテッソーリ教育は、
子どもの発達に合わせ、子どもに寄り添った教育法です。
無理に何かをさせることはありえません。
モンテッソーリ園で、フラッシュカードを取り入れているという園はありません。
カードはありますが、そういう使い方はしません。
作り方を期待した方、ごめんなさい。
モンテッソーリ教育の本質を知っていただけるとうれしいです。
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