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エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

梔子の花

2014年06月13日 | ポエム
梔子の花が存在する。
大袈裟であろうか?

だがしかし、梔子だけでは季語にはなりえない。
花をイメージさせる表現でこそ、夏の季語となるのである。

それにしても、この匂いはどうだ!
甘やかで、煽情的でさえある。



いやいやする君を引き寄せた時のような、身体中に満ちてくる甘い匂いである。
記憶の底辺を掻き混ぜる感覚である。







「くちなしの相対したる小さき顔」







梔子の花は、咲くと同時に錆び始める。
しみができ、虫が着く。

ふくよかに白い花弁は、忽ち茶色に錆びる。

余りに綺麗過ぎるからであろう。
君がそうであるように、誰もが振り返ってしまう。
それが、梔子の花である。




         荒 野人


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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さびる前に (さとうまさこ)
2014-06-13 10:09:13
「君がそうであるように、誰もが振り返ってしまう。」
は、美しい人にとっては殺し文句ですね。大昔のフィルムのコマーシャルではないけれど、「美しくない人にもそれなりに」効くかもしれません。
若いころ、この言葉にぴったりの美しい友人がいました。
ほんとうにだれもが振り返るのです。
クチナシと違うのは、人間の花である彼女は、さびるのを極度に恐れていたことです。30代の美しい盛りでしたが、予告通り、50歳で知人友人の前から消えてしまいました。隠棲したのです。
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Unknown (ripple)
2014-06-14 12:50:24
梅雨空が
暮れ
梔子の
花の白さが
際立つ
返信する
rippleさんへ! (荒野人)
2014-06-14 18:20:17
梅雨の晴れ間にこそ
梔子の城が際立つ
それは本当ですね
でも雨に濡れそぼる
梔子もなかなか色っぽい
返信する
まさこさまへ! (荒野人)
2014-06-14 18:24:10
そんな美系に出会いたいものですが・・・。
しかし、本当に隠棲するとはね~
鮮やか過ぎて、この世の現実とも思えず夢のようですね。

年相応に老いることの美しさを知らないのは寂しいですね。
美しく年を重ねる事の見事さを!
ぼくの友人たちは心がけて欲しいものです。

もちろん、まさこさんもね!
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