エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

チェリスト・堤剛の演奏に泣いた

2011年03月30日 | 日記
チェロ協奏曲 ロ短調演奏 作品104 (B.191)は、チェコの作曲家アントニン・ドヴォルザークが作曲したチェロ協奏曲である。
名曲である。



アントニン・ドヴォルザークである。
ドヴォルジャックでも正解である。

日曜日夜、1月23日放送のN響との名演奏を聴いた。
再放送である。
不覚にも聴いた後、胸が詰まって落涙した。

久しぶりの堤剛の演奏であった。
ヨー・ヨー・マはCDでも聴くけれど、やはり堤の演奏は秀逸であった。

あのチェロと一体になった演奏スタイルは、チェロを奏でる姿を見ているだけで音を感じる。
それは表情豊かなヨー・ヨー・マも同じである。
堤の表情からも音を感じられるのである。

堤は、1957年第26回日本音楽コンクールのチェロ部門で第1位と特賞を獲得してデビューする。
その後、様々な音楽コンクールで賞を獲得する。
いまや、日本が誇る世界的なチェリストである。

名演奏家は教育者としても優れている。

堤は、かの斎藤秀雄氏の薫陶を受けているのだけれど、いまや彼も2004年4月から桐朋学園大学学長を務めているのである。
斎藤秀雄氏自身もチェリストであったわけで、チェロの演奏技術だけでなく芸術家としての基礎を叩き込まれたであろうことは想像に難くない。

さて、チェロ協奏曲 ロ短調演奏 作品104 である。
特にクラリネット(木管楽器)のソロは素晴らしい。
主題操作の妙や確かな構成と、協奏曲に求められる大衆性と芸術性を高度に融合させた傑作である。

故にチェロ協奏曲の嚆矢と評価されるのである。

ぼくはチェロというと、どうしてもパブロ・カザルスを連想する。
とりわけ五木寛之氏の小説「戒厳令の夜」との関連で思い出されるのである。

三人のパブロというフレーズが脳裏から離れないのである。

画家のパブロ・ピカソ。
チェリストのパブロ・カザルス。
詩人のパブロ・ネルーダ。

の三人である。



カザルスのCD・ジャケットである。
堤は、カザルス・コンクールで第一位の栄誉を浴しているのである。
傑出した音楽家である。

いま改めてチェコ・フィルとの共演によるCDを聴いている。






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