エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

川の流れを見つめる

2011年03月20日 | ポエム
例えばNHKも徐々に通常放送に戻そうとしている。
あの日から1週間が経過し、救命捜索から復旧にその対策のスタンスが変わらざるを得ないからであろう。

しかし、肉親を探す声は悲痛であって、救命捜索はいつまでも続くのである。

ぼくも徐々に詩を創ったり、写真に感動したりする日常に戻って行こうと思っている。
復旧の足音は、高く鳴り響かねばならないからである。






       河の流れを見つめる


      河が流れるとき
      ぼくは
      あなたを求めたい
      河は
      留まることを知らず
      いつまでも
      流れ続け
      やがて
      大海原へとなだれ込む
      痛いほどの
      海への突出は
      著しく
      あなたをイメージさせる
      あなたの豊かな肉体が
      大河と大海原とが激しく混じり合う
      その接点となって
      ぼくを苦しめ
      ぼくをじらし続ける
      あなたは
      大河に問え
      と
      ぼくをいたぶるのだ
      混沌である
      そのカオスが
      薄汚く泥の河となり果てても
      だがしかし
      あなたは
      清浄であって
      白く美しい

      河の流れは
      とうとうとして
      あらゆる物体を
      留めない
      拒否し
      流れのまま捨て去っていく
      森羅万象を
      訪なうかのように
      手のひらで転がし
      あらゆる事象を
      笑うかのように
      捨て去り
      流れ去る






川は悠久に流れる。
川には物語がある、と喝破したのはスタジオ・ジブリの宮崎駿である。

「千と千尋の神隠し」のポイントは川である。



沼に注ぎ込む手前の川は、鮒や鯉など川魚の宝庫である。
陽に照らされてキラキラと輝く水面は神秘的ですらある。

この日、川沿いにはネコヤナギが膨らんでいた。



もう少し経つと「柳蕠」は空に舞い上がる。
柳の種子を包む白い真綿のようなものである。

これも春を告げる川畔の風物詩である。






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