「わたしはいまだ六位で官職につけていない藤原為時の娘。
藤原でもずっと格下だから気にしないで」
ついに素性を明かしたまひろ(吉高由里子)。
道長(柄本佑)を庶民の男だと思っているからこう言ってしまう。
道長は複雑な表情。
面白い仕掛けですね。
身分が下かと思っていたら相手ははるかに上の人だった。
そのことが「五節の舞」の時にわかり、
しかも母を殺した右大臣家の子息であることがわかり……。
実に見事な作劇だ。
五節の舞のシーンではいつ気づくのかとドキドキさせられる。
ショックを受けて舞を失敗してしまうのではないかとハラハラさせられる。
道長は目をつむって居眠りをしていたので気づかなかった様子。←引っ張るねえ。
ふたりがぶつかり合うのは次回。
…………………………………………………………………………
まひろは身分制度や貴族社会に疑問を持っている。
かぐや姫の解釈を尋ねられて
「かぐや姫にはやんごとない人への怒りや蔑みがあったのではないかと思います。
帝さえも翻弄していますから。
身分の高い低いなど何ほどのことという、かぐや姫の考えはまことにさっそうとしているとわたしは思います」
このような発言をした背景には「三郎のこと」「道兼のこと」「父のこと」がある。
身分制度がなければ自分は三郎と恋愛できるし、道兼は裁かれるし、父は官職を得られる。
貴族社会や身分制度に疑問を持っている人物は他にも。
ひとりめは直秀(毎熊克哉)。
散楽で貴族社会をからかい、盗賊をおこない富を貧しき人に分け与え、
「放免に追われるやつは悪いやつなのか?」と問う。
ふたりめは道長。
貴族社会で出世することに興味がない。
逆に父や兄の醜さに嫌気がさしている。
父が毒を帝に盛ったことを知った時は、そこまでするかと思ったことだろう。
自分の思いをあまり感情に出さない道長だが、仲間と次の帝について話した時、「毒を盛る」という言葉を発してしまった。
三人目は倫子(黒木華)
左大臣の娘だが、自分を権力争いの道具にされるのを拒んでいる。
貴族社会を完全に否定していないが、倫子は自分の意思で飄々と生きていくのだろう。
おっとりしているが、たくましい女性だ。
まひろもそんな倫子のことが気になっている様子。
父・源雅信(益岡徹)が倫子に甘いのも面白い。
四人目は詮子(吉田羊)
「人のごとく血を流すでない! 鬼めが!」
譲位した円融天皇(板東巳之助)、愛した男にひどい言葉を浴びせられてしまった。
その原因を作ったのが父だと知って激怒。
詮子は貴族社会の醜さをトコトン思い知ったことだろう。
さて、これらの人物が絡み合って、どのような物語が展開していくのか?
……………………………………………………………………
まひろは親戚・藤原宣孝(佐々木蔵之介)とこんな会話をした。
「学問とは何のためにあるのでしょう?
論語も荀子も墨子も人の道を説いておりますのに父上はその逆ばかりなさっておられまする」
宣孝は答える。
「父上も人だからじゃ」
人は「理想」だけでは生きていけないんですね。
現実は「理想」とかけ離れているから、それを諫めるために論語、荀子、墨子がある。
あるいは、
人は総じて「醜い」ものだから、「美しい人」を書いた物語が求められる。
さて、まひろと宣孝、いよいよ距離が近くなって来ました。
宣孝は大人の世界の考え方を教えてくれる存在。
愚痴を聞いてくれる存在。
今後の展開が楽しみだ。
藤原でもずっと格下だから気にしないで」
ついに素性を明かしたまひろ(吉高由里子)。
道長(柄本佑)を庶民の男だと思っているからこう言ってしまう。
道長は複雑な表情。
面白い仕掛けですね。
身分が下かと思っていたら相手ははるかに上の人だった。
そのことが「五節の舞」の時にわかり、
しかも母を殺した右大臣家の子息であることがわかり……。
実に見事な作劇だ。
五節の舞のシーンではいつ気づくのかとドキドキさせられる。
ショックを受けて舞を失敗してしまうのではないかとハラハラさせられる。
道長は目をつむって居眠りをしていたので気づかなかった様子。←引っ張るねえ。
ふたりがぶつかり合うのは次回。
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まひろは身分制度や貴族社会に疑問を持っている。
かぐや姫の解釈を尋ねられて
「かぐや姫にはやんごとない人への怒りや蔑みがあったのではないかと思います。
帝さえも翻弄していますから。
身分の高い低いなど何ほどのことという、かぐや姫の考えはまことにさっそうとしているとわたしは思います」
このような発言をした背景には「三郎のこと」「道兼のこと」「父のこと」がある。
身分制度がなければ自分は三郎と恋愛できるし、道兼は裁かれるし、父は官職を得られる。
貴族社会や身分制度に疑問を持っている人物は他にも。
ひとりめは直秀(毎熊克哉)。
散楽で貴族社会をからかい、盗賊をおこない富を貧しき人に分け与え、
「放免に追われるやつは悪いやつなのか?」と問う。
ふたりめは道長。
貴族社会で出世することに興味がない。
逆に父や兄の醜さに嫌気がさしている。
父が毒を帝に盛ったことを知った時は、そこまでするかと思ったことだろう。
自分の思いをあまり感情に出さない道長だが、仲間と次の帝について話した時、「毒を盛る」という言葉を発してしまった。
三人目は倫子(黒木華)
左大臣の娘だが、自分を権力争いの道具にされるのを拒んでいる。
貴族社会を完全に否定していないが、倫子は自分の意思で飄々と生きていくのだろう。
おっとりしているが、たくましい女性だ。
まひろもそんな倫子のことが気になっている様子。
父・源雅信(益岡徹)が倫子に甘いのも面白い。
四人目は詮子(吉田羊)
「人のごとく血を流すでない! 鬼めが!」
譲位した円融天皇(板東巳之助)、愛した男にひどい言葉を浴びせられてしまった。
その原因を作ったのが父だと知って激怒。
詮子は貴族社会の醜さをトコトン思い知ったことだろう。
さて、これらの人物が絡み合って、どのような物語が展開していくのか?
……………………………………………………………………
まひろは親戚・藤原宣孝(佐々木蔵之介)とこんな会話をした。
「学問とは何のためにあるのでしょう?
論語も荀子も墨子も人の道を説いておりますのに父上はその逆ばかりなさっておられまする」
宣孝は答える。
「父上も人だからじゃ」
人は「理想」だけでは生きていけないんですね。
現実は「理想」とかけ離れているから、それを諫めるために論語、荀子、墨子がある。
あるいは、
人は総じて「醜い」ものだから、「美しい人」を書いた物語が求められる。
さて、まひろと宣孝、いよいよ距離が近くなって来ました。
宣孝は大人の世界の考え方を教えてくれる存在。
愚痴を聞いてくれる存在。
今後の展開が楽しみだ。
この発言、先週同様のKYぶり。さすがに
「まひろさんは私の父が左大臣で身分が高いということをお忘れかしら」
と言う倫子ですが、すぐに「うふふ、ほんの戯れ言」とフォロー。
このやりとりから、私は倫子のまひろへの好意を読み取ります。
つまり、あまりにKYなまひろにやんわりと忠告したのだろうと思います。
しかし、まひろのKYには媚びることのない正直さを見て、むしろまひろに対する信頼を深めたのではないか、と想像します。
現在のところ、まひろと倫子との関係は極めて良好かと思いますが、「三角関係」期が来たらどのように描くのでしょうね。
また、倫子溺愛パパの源雅信も政争に対しては恬淡としています。
母の藤原穆子も含めて、源一家は藤原兼家一家とは対照的に暖かい雰囲気のようです。
「兼家一家」の一員としての道長は、辛くなることでしょうね。
>身分が下かと思っていたら相手ははるかに上の人だった。
>そのことが「五節の舞」の時にわかり、しかも母を殺した右大臣家の子息であることがわかり……。
本作は基本的に「すれ違いラブストーリー」であると思いました。
まず、三郎(道長)が「母の仇」の弟だった、というのが最初にして最大の「すれ違い」材料。
そして今回は、道長が自分の素性も明かそうとしたところで、藤原宣孝が登場することにより「すれ違い」。
>まひろと宣孝、いよいよ距離が近くなって来ました。
今回、宣孝の登場によって道長が直接まひろに素性を告白できなかった「すれ違い」は、今後の暗示なのでしょう。
いつもありがとうございます。
TEPOさんも今後の史実をご存じだと思いますが、ネタバレせずに書くのって難しいですよね。
今回の描かれた
・源雅信の左大臣家のギラギラしていない感じ
・詮子の生家・左大臣家への激怒
は今後の展開への布石なのでしょう。
実に巧みな作劇だと思いました。
そして、おっしゃるとおり倫子とまひろの関係はどう描かれるのでしょう?
「すれ違いラブストーリー」徹底していますよね。
宣孝のシーンもそうですが、五節の舞の時、道長は居眠りをしていてまひろに気づかない!笑
結局、次回に持ち越されてしまいました。
巧みな描写と言えば高御座(たかみくら)。
現在の天皇が即位された時もあの中に入られましたが、伝えられている史実に拠ると、花山天皇は即位の時、高御座に女官を引っ張り込んで良からぬことをしたとか。
これをドラマではどう描くのだろう? と思っていたら源雅信の台詞で表現されていました。
その他、花山天皇に関しては、感情的になって衣冠を取ったり、寝所で緊縛したり、それでいて善政をおこなったり。
面白い人物描写になっていますよね。
昨年の大河ドラマは、全く見ずの終わりましたが
今年は欠かさずに見ています。
道長は、若い時には純粋無垢なようですが
次第に実家の家風に染まっていくのでしょうね。
そこに、姉・詮子の引き立てや後押しもあったことでしょう。
さて、別ドラマの話ですが
小芝風香さんの金曜時代劇「あきない正傳 金と銀」ご覧になりましたか?
女性に人気の高田郁さんの小説の実写版です。
彼女は顔立ちや額が綺麗で、時代劇が良く似合いますね。
(時代劇でも民放の「大奥」は見ていません)
役柄も合っています。
大河ドラマと比較にならない小粒(全8話)な作品ですが面白く見ています。
本来は長編の山有り谷有りの小説なので
いっそ、朝ドラにすれば良かったのに!という声も聞かれます。
私も、そう思います。
お久しぶりです。
今回の大河はぜひ完走なさって下さい。
いっしょに語り合いましょう。
「あきない正傳 金と銀」はBS時代劇なんですね。
原作は「みをつくし料理帖」の髙田郁さん。
脚本は山本むつみさん。
悪くないですね。
僕が映像作品を見るのは21時~24時なのですが、本当に時間が足りません。
冬ドラマは一巡して視聴しない作品はカットしたので、機会があれば見てみます。
教えていただきありがとうございます!