平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒19 「オマエノツミハ」~右京さん、犯人の論理と激情に敗北する!

2021年01月02日 | 推理・サスペンスドラマ
「ロクでなしはロクでなしのまま。
 更正など不可能で、そのまま社会に放たれる!
 こいつは世界に害を及ぼすだけだ。
 だから僕が殺す!」

 犯人はこう叫んだ。
 一方、右京さん(水谷豊)のこだわりは、法の正義を守ること。
 その基本論理は
「罪を憎んで人を憎まず。人間は変われる」

 犯人の主張にリアリティを感じる時代になって来ましたね。
 法律は抜け道だらけ。
 法律で悪を裁けない。
 コロナ感染症の法律もそうだが、法律は何十年も前のものが多く、現実に追いついていない。

 今回は右京さんの理屈も犯人を説得できなかった。
 犯人は右京さんに反論する。
「あなたは完全無欠だ。いつも正しい。
 あなたの言っていることは頭ではわかっていても心が言うことを聞かないんです」

 論理は感情に敗北する。
 強すぎる感情にはどんなに論理的な説明も通用しない。
 たとえば、トランプ信者は、どんなに不正選挙がなかったことを論理的に説明しても、理解しない。
 安倍信者も同じ。
 言葉が無力な時代になっているのだ。

 実際、右京さんも犯人の提示した二択に答えられず、
「撃つのなら僕を撃ちなさい!」と叫んだが、犯人を説得できなかった。
 右京さんは敗北したのだ。

 今回の犯人の論理は、〝ダークナイト〟甲斐亨(成宮寛貴)に通じるものがあるなあ。
 法律で裁けないのなら自分で裁く。
『相棒』はこのテーマをずっと解決できないでいる。
 刑務所に服役している甲斐亨は今、何を考えているのか?

 まあ、今回の件で結論めいたことを言えば、
・「ロクでなしはロクでなしのままの人間」もいれば「更正してロクでなしでなくなった人間(=ラストの結婚して子供が生まれる魚屋の青年)」もいる。
・現実は多様で、人間はさまざまで、犯人のように黒か白かで考えてしまうのは間違い。
 ということか。

 犯人と右京さんの論理がぶつかり合ういい作品だった。


※追記
 内村刑事部長(片桐竜次)は新年になっても「超・新生」のままだった。
 部下に責任を押しつけないし、事件を真剣に解決しようとしている!(笑)

 おかみさん・小出茉梨(森口瑤子)はたくましい人だった。
 フツーあんなことがあったら、右京さんは疫病神、出入り禁止になるよね……。

 出雲麗音(篠原ゆき子)は中途半端な立ち位置だな、と思って見ていたが、
 伊丹たちのリモート操作に協力して、今回はいい味出してた。
 運転も得意みたいだし、今後楽しみなキャラクターになりそう。
 
 社美彌子 (仲間由紀恵)の出世の最終目標は「警視総監」ではなく「総理大臣」。
 これ、『24』をオマージュしてる?
『24』で、仲間由紀恵さん、女性総理大臣になる役を演じている。
 

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