平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

青天を衝け 第15回「篤太夫、薩摩潜入」~薩摩との権力闘争に勝利した慶喜だが……

2021年05月24日 | 大河ドラマ・時代劇
「徳川の代わりに誰がこの国を治めるのか? それは一橋様がよかろう」
「薩摩の今のお殿様にその徳がおありですか?
 おれは徳ある方が才ある者を集めて、この国を治めてもらいてえ」

 栄一あらため渋沢篤太夫(吉沢亮)が西郷吉之助(博多華丸)に語った言葉だ。

 時代はまさに一橋VS薩摩。

 京での主導権を誰が握るか?

 まずは一橋が勝利した。
 禁裏御守護総督の役職を慶喜(草彅剛)が握り、京都所司代は松平容保が任命された。
 これの実現のために動いたのが平岡円四郎(堤真一)。

 薩摩は一時撤退。
 国に戻り、兵を養い、時機を待つことに。
 この策を立てたのが大久保一蔵(石丸幹二)。

 一橋と薩摩の戦いは、円四郎と大久保の戦いでもあるのだ。

 一方、禁裏守護の役職を得たのはいいが、一橋には兵が足りない。
 慶喜は故郷・水戸藩に協力を要請するが、
 水戸では藤田小四郎(藤原季節)らが攘夷を決行すべく筑波山で挙兵する。
 世に言う「天狗党の乱」だ。
 ……………………………………

 政争・権力闘争ですね。

 長州が京から追い出された後、
 一橋と薩摩が主導権を握って争っていたことを今作は描いてくれた。

『西郷どん』の慶喜は単に政治に興味のない洒脱な人物として描かれたが、
 今作の慶喜はしっかり政治をしている。
 おそらく現実の慶喜は今作の方が近いのだろう。
『西郷どん』の慶喜はフィクションとして面白いですけどね。

 あとは、人間の運気・運命。
 この大事な時機に「天狗党の乱」が起きたのは慶喜にとって計算外だっただろう。
 そして次回は円四郎が……。
 これで慶喜の心は折れてしまったに違いない。
 慶喜は運命の坂を転がり落ちつつある。

 慶喜という人物は面白い。
『篤姫』などでは鳥羽伏見の戦いに敗れて「逃げ帰った人物」として描かれていたが、
 大政奉還で先祖代々の権力を捨てたこと
 汚名を覚悟で、無条件降伏を受け入れ、無益ないくさをしなかったことは実に見事。
 聡明な人物だ。
 そして、その生涯は悲劇を帯びてドラマチック。
 卑しいのは、約束を破り、無理難題をふっかけて来た薩長なんだよなあ。

 さて、篤太夫(栄一)は滅亡する徳川と慶喜の悲劇を見て何を思うのだろう?


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