平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おかえりモネ~クロード・モネの絵画のような繊細な作品

2021年05月22日 | その他ドラマ
「私の地元、気仙沼の海にも冬になっと、けあらしっていう霧が出るんです。
 私…そのけあらしを見るのが…小さい時がらとても好きで。
 海がら昇る朝日もとても好きで。
 でも、あの日…。
 私…何もできなかった」

 なるほど~
 百音(清原果耶)が島を出た理由は、3・11を思い出すからなのか。
 あの日、気仙沼は真っ赤な炎に包まれたからなあ……。

 一方、百音がやって来た登米には澄んだ青い空があった。
 見上げれば「虹」があり、「彩雲」があった。
 百音はずいぶん救われたことだろう。

 だが、現在の百音はまだ無力だ。
 まったく世の中の役に立てていない。
 菅波光太朗 (坂口健太郎)は医者として誰かの役に立っている。
 妹の未知 (蒔田彩珠)は勉強して日本の水産業の発展に寄与したいと思っている。
 樹齢300年のヒバの木は能舞台の材木になる。
 しかし、今の百音には何もない、
 自分が何が出来るのか、を追い求めている。
 まあ、サヤカさん(夏木マリ)に言わせれば、全然役に立たなくてもいいんですけどね。
 人間は生きて泣いて笑って死んでいく。ただそれだけ。
 これがサヤカの人生哲学だが、若い百音にはまだそれが理解できない。

 繊細な作品ですね。
 視聴者は行間を読むことを求められる。
 シーンは一見バラバラで、ああなればこうなるというふうに論理立てて構成されていない。
 だから通常の朝ドラのように、ラジオを聞く感覚で見ているだけでは、深く味わうことはできない。
「おちょやん」のような濃い人間がぶつかり合うコテコテとは180度違う。

 おそらくヒロインが清原果耶さんだから、こういうシナリオになったのだろう。
 清原さんはこういう繊細な演技が出来る人。
 ワハハハッ! とラフター・ヨガで腹を抱えて笑いながら、同時に見せる繊細な表情。
 この繊細さが魅力的な女優さん。

 ところで今作はクロード・モネの絵画のような作品だ。
 時折、モネの絵のような風景が登場する。

 


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