平成エンタメ研究所

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笑っていいとも! の西村賢太氏~問われる作家の品格

2012年03月13日 | 監督・俳優・歌手・芸人
 現在、ちょっと話題の芥川賞作家・西村賢太氏。
 私も先週、西村氏が出ている「笑っていいとも!」を偶然見ましたが、あれは下品ですね。
 芥川賞作家の肩書きがなければ、ただの中年オヤジがエロ話をしているだけの内容。
 事の次第はこんな感じ。

<放送事故寸前!?>(日刊ゲンダイ2012年3月8日掲載)

 芥川賞作家の西村賢太(44)の“テレビ人気”が急上昇している。
 西村は今月5日にタモリが司会の「笑っていいとも!」(フジテレビ)にゲスト出演。人生の修羅場をくぐり抜けてきた俳優や作家をゲストに迎える「ちょっと怪しい課外授業」というコーナーの“非常勤講師”として、SMAPの香取慎吾やロンブーの淳らを相手に自説を開陳した。
 この中で、西村は生放送にもかかわらず「若いコと肉体関係を持ちたい」「若い女性のぬくもりを大事にしたい。(ぬくもりを得られない時は)外に買いに行きます。僕の場合はデリヘルです」と、お昼の番組とは思えない下ネタを連発。続けて、デリヘル嬢とのプレー内容まであけすけに語ったのだ。
 生報道だけにピー音をかぶせることもできず、放送事故寸前だったこの日の「いいとも」。だが、逆に放送を見てニヤリとしたのはテレビ関係者だという。
「深夜番組にはうってつけのキャラです。芥川賞作家という立派な肩書があるから、下ネタ発言は視聴者がより興味を持つはず。コメンテーターとしては最適でしょう。すでに大手芸能プロにも所属しているし、今後は西村の露出が増えるのは確実です」(テレビ関係者)
 作家といえば、最近は石原都知事に噛み付いて話題の芥川賞作家・田中慎弥もキャラが立っていることでは双璧。しかし、「田中さんは極度の恥ずかしがり屋で、石原都知事への過激発言もほとんど照れ隠し。テレビ向きではない」(文芸関係者)といわれ、タレント性は西村がずっと上だろう。
 西村は今月23日にはBSジャパン「小林麻耶の本に会いたい」に出演予定。麻耶相手にも下ネタ発言するのか、興味深い。


 という内容。
 芸人さんもテレビで下ネタを言うが、しっかり芸になっているから品がある。
 たとえば「笑点」の小遊三師匠。
 しかし、西村氏の場合は芸がないから、ただの中年オヤジトーク。
 作家としてのテツガクもない。

 大体、西村賢太氏はこの出演で何を表現したかったのだろうか?

 <無頼>を気取りたかったのか?
 だったら故・団鬼六先生くらいやってほしい。
 鬼六先生は印税をSM映画の制作と将棋雑誌につぎ込んだ。
 なのに西村センセイは印税4000万(芥川賞を獲って本が売れ、このくらいの印税が入ったらしい)をチアチマと風俗に使うだけ。

 自らを<ピエロ><トリックスター>にしたかったのか?
 だったら故・遠藤周作先生くらいのユーモアでやってほしい。
 遠藤先生はピエロになる時、<狐狸庵先生>を演じたが、それくらいのことをやってほしい。

 かつて作家がメディアに出て何かを語る時は格好よかった。
 故・吉行淳之介先生しかり。
 故・開高 健先生しかり。
 野坂昭如先生しかり。
 それぞれのダンディズムがあった。
 北方謙三先生も上のお三方に比べればまだ「小僧」だが、しっかりダンディズムを表現している。

 なのに西村センセイは?
 ただのエロオヤジ。芸も品格もテツガクもない。
 こう書いてしまう私自身、歳をとって保守的になり、彼の面白さを理解できなくなってしまったのだろうか?
 それに西村氏の作品を読んだわけではないし。

 日刊ゲンダイの記事に拠ると、西村氏は現在、テレビメディアに注目されているとのこと。
 テレビに消費され、捨てられないことを願う。
 お節介かもしれないが、テレビなんかに出ているよりは作品を書いた方がいいんじゃないか、とも思う。



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4 コメント

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西村氏は、1つの時代の象徴 (明日はホームラン)
2013-04-18 00:47:06
品格が無いことが、西村氏の「セールスポイント」であり、現代の男性像の1つの象徴だと思います。テレビの視聴者は西村氏のような人間を、客寄せピエロのようにして笑い飛ばし、「消費」していくんでしょうね。

私は20代ですが、昔の俳優さんをみると、今の時代の男性とは異質なものを感じます。ダンディズムともいえると思うし、品格とも言えると思います。

物が豊かではない時代、ダンディズムを身につける機会が沢山あったのでしょう。「武士は食わねど高楊枝」は、最高のダンディズムだと思っていますが、食べるものがないくらい貧しいのに、欲望を丸出しにしたらみっともない。貧しいゆえのダンディズムですが、今の時代は、そういった感覚はほとんど通じません。

現代には、そういった「みっともない」という精神が欠如していると思います。貧しいのだから、せめて心だけは清らかであって欲しい。そんなこと言ったら、今の時代の人には笑われるかもしれません。

それともう一つ西村氏の特徴として、指摘しておきたいことがあります。それは、彼は「自分のことしか考えていない」という点です。これもブログ主さんの言う、ダンディズムの無さの表れでしょう。

昔の落語家が、下ネタを言っても様になったのは、見ているお客様、育ててくれた師匠、落語という伝統芸能に対して敬意をしめし、絶対超えてはならない一線を知っていたからだと思います。つまり、他人に敬意を払い、一線を画す。

西村氏には、そういった意識は希薄です。本人に聞いたわけではありませんが、小説家としての対社会的な影響や、作家の先輩諸子への敬意の念は希薄でしょう。簡単に言えば、自分が売れれば、それで良いのだと思います。芥川賞作家としての品格を売り飛ばしても、メディアに取り上げられたいというのが、彼の言葉の節々に感じられます。

以上、若輩ものですが、貴ブログのコメント欄を拝借して、私の意見を言わせて頂きました。ありがとうございました。
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一線を画す (コウジ)
2013-04-18 09:21:15
明日はホームランさん

コメントありがとうございます。
テレビは人間性をありのままに映すメディアですから、<芸のない人>はあまり出てほしくないですよね。
西村氏は、ありのままの自分を表現される方で、テレビ出演もその延長上にあるのでしょうが、いかんせん芸になっていない。
芥川賞を獲られるくらいの方ですから小説では<芸>を持っておられるのでしょうが、テレビの世界ではシロウト。
テレビで表現している自分の姿が「みっともない」ことを認識して、テレビとは「一線を画す」方が正しい姿勢であるような気がします。
まして、それが、定かではありませんが、「メディアに取り上げられたい」という売名行為なら尚更ですよね。

もっともテレビに出る出ないを決めるのは、西村氏の意思で、私などがどうこう言えるわけではないのですが……。
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Unknown (排女鱈)
2013-12-29 03:54:29
あなたのいうダンディズム精神に則った弁を立てるのであれば、まず、作家を評するのであればその作品を一読されてからでしょう。

まぁ、ダンディズムなんざぁ糞喰らえですがね。

いちにちもはやく、このブログを閉鎖されることを願います。
返信する
ご批判ありがとうございます (コウジ)
2013-12-29 08:43:09
排女鱈さん

最初のコメントは一部当たっていますね。

二番目のコメントは価値観の違い。

最後のコメントは受け入れることは出来ません。
返信する

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