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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

江~姫たちの戦国 第39回「運命の対面」

2011年10月10日 | 大河ドラマ・時代劇
★今回は面白かった。
 深まる徳川と豊臣の対立。

 秀忠(向井理)は、伏見や大阪城・西の丸に住むことを主張。
 そして関白・秀頼、その下に将軍の自分という徳川と豊臣の連立政権を目指す。
 これが史実かどうかはわからないが、今までの秀忠の言動を考えると、この政権構想はあり得る。

 しかし、豊臣側はかたくな。
 淀(宮沢りえ)は、初(水川あさみ)から聞いた江(上野樹里)の言葉にこう反発。
 「太平の世を作るのは、豊臣の、秀頼の役目であったはず。この恨み、消えることはありませぬ」
 人間、こんなふうに心が凝り固まってしまうとまずいですね。
 滅びの道に至る。

 秀頼は淀より柔軟。
 家康(北大路欣也)と会見して、政治的解決を目指す。皮肉もこめて。
 「豊臣のために働いて下さること、有り難く存じます」
 「徳川殿と共に太平の世を築くことを共に行っていきとうございます」
 これは先に述べた秀忠の政権構想とも合致する。

 歴史のifになるが、もし家康が早く亡くなっていて、秀忠がこの作品で描かれたような人で、秀頼との会見がなされていれば、徳川・豊臣の連立政権が出来ていたかもしれませんね。
 いずれにしても、秀忠、秀頼、淀、家康の立ち位置、目指す所が描き分けられていてドラマになっていたと思います。
 会見での秀頼は格好よかった。

★一方、江は福(富田靖子)と対立。
 「国松は私の乳で育てるのじゃ」
 「竹千代を除いて、私の産んだ子はすべて私の子」
 江がかたくなになってしまった。
 これはどうなんだろう?
 史実としてもそうだが、この作品、どうも江という人物がよくわからない。
 もちろん人間だから、かたくなになることもあると思うが、完全に竹千代を拒絶してしまった。
 竹千代の孤独な心も理解せずに。竹千代本人には何の罪もないのに。
 本音で「竹千代を除いて、私の産んだ子はすべて私の子」と思っていたとしても、思慮のある大人なら人前では口に出さない。
 現に淀は、秀頼に側室を持たせる時に、「これでよいのか……」と誰もいない所でつぶやいた。
 おそらく「竹千代を除いて」と人前で言わせたのは、竹千代にそれを聞かせてドラマにするための脚本家のご都合。ウソ。
 限られた時間の中で描かねばならいという制約の中で、こうしたご都合も仕方ないとは思うが、こうしたウソが人物のリアリティを少しずつ失わせていく。

 秀忠、秀頼、淀、家康という人物たちの中で、江だけがどうも成熟していない子供で魅力的でない。


コメント (2)
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