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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛

2009年08月13日 | 洋画
 ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛

 兄妹の治めた黄金時代から1300年の歳月が流れたナルニア国。
 何とルーシーたちは偉大な王と王女として伝説になっていた!

 自分が<伝説>になるっていうのは、ある意味最高の栄誉ですよね。
 兄妹たちがナルニアに行けて目を輝かすのは当然のこと。
 何しろロンドンの現実ではちっぽけな子供でしかないのだから。
 ナルニアに行けば、伝説の王・王女として、みんなが讃えてくれる。
 こんな喜びはない。

 さて今回は帰ってくるということについて。
 ピーターたちは戦いを終えると現実社会に帰っていくんですよね。
 ナルニアに留まることをしない。
 ナルニアにいた方がずっと楽しいはずなのに現実に帰ってくる。
 作者のC・S・ルイスは<空想世界に遊ぶことは大事だけれど、現実に戻って来なさい>と言っているのでしょうか?

 われわれはしばしば映画や小説の世界に浸る。
 面白い映画や小説であれば、時間を忘れてその世界に入り込む。
 王や王女の話であれば、自分がそれになったような感じになる。
 ピーターたちがナルニアに行くのも、映画や小説を読むのと同じことなのかもしれません。
 われわれが映画や小説の世界に浸って勇気や人を信じる気持ちをもらってくるのと同じようにピーターたちもナルニアで何かをもらって現実に帰ってくる。
 映画、小説、あるいはファンタジーの効用とはこんな所にあるのですね。
 それは一般のドラッグストアでは売っていない心の薬。心の栄養。
 エンタテインメントの役割とは<心の薬><心の栄養>なのかもしれません。

 そしてピーターたちが現実に帰ってきたように、われわれも物語世界から現実に帰ってこなくてはならない。
 作者はそんなエンタテインメント論、ファンタジー論をこの作品で述べているのかもしれません。

※追記
 そう言えば時間感覚もそう。
 100年の出来事も映画や小説なら2時間で体験できる。
 ピーターたちがナルニアで過ごした時間は何十年もの時間だったが、現実ではごくわずかだった。


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