goo blog サービス終了のお知らせ 

平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ティファニーで朝食を

2008年12月29日 | 洋画
 マンネリのカップルにはこんなデートをしてみるのもいいかも?
 それは<やったことのないことをするデート>!
 相手に人生でやったことのない体験をさせたら1点。
 その1日の合計点数を競う。
 刺激的なデートになること間違いなし!

 これはこの作品「ティファニーで朝食を」でホリー(オードリー・ヘップバーン)とポール(ジョージ・ペパード)が行ったデート。
 楽しいこと、刺激的なことが大好きなホリーの性格をよく現している。

★この作品で注目すべきは、ホリーのキャラクターだ。
 彼女はニューヨークの宝石店<ティファニー>にいる時が一番落ち着いて幸せというキャラ。
 お金と楽しいことが大好きで自由奔放。
 田舎の生活が大嫌い。

 でも……。
 表があれば裏があるのが人間だ。
 ホリーという名前は実は本当の名前ではない。
 田舎には夫と子供がいて彼女は昔の名前を捨ててニューヨークに出て来た。
 ホリーというのはニューヨークでの名前。
 彼女が田舎を捨て新しい名前になったのは<自由>を謳歌するため。
 彼女は<束縛>を嫌う。
 でも<自由>の裏返しは<孤独>なんですね。
 派手な生活の中、彼女は<愛>を求めている。
 でも<愛>とは劇中のせりふを借りれば『束縛し束縛されること』。
 ホリーは自由を求めつつも愛を求め揺れ動いている。

★ホリーの象徴のひとつは<ティファニー>。
 自由と華やかさ。
 もうひとつの彼女の象徴は彼女が飼っている<名前のない猫>。
 何者でもないという孤独。愛のない孤独。

 人生とは厄介なもので、<自由>と<愛>、この両方を手に入れることは出来ないんですね。
 <愛>には<束縛>という代償がかかる。
 ホリーがそのどちらを選ぶのかが物語のテーマだが、そのラストシーンは感動的だ。
 雨の中、ホリーが抱き締めるのは……。
 これが恋人ポールであれば当たり前だが、彼女はポールでない別のものを抱き締める。
 ホリーは<もうひとつの自分>を見出したんですね。
 ネタバレになるので書かないが、このラストシーンでこの作品は名作になった。

※追記
 <自由>と<愛>。
 実に重いテーマを扱っているが、この作品の基本はロマンチックコメディ。
 ティファニーという場所の小道具も見事だが、アパートの上の階と下の階というシチュエーションをうまく使っている。

※追記
 <ティファニー>と<名前のない猫>。
 この様にキャラクターを何かに象徴させて描くというのも見事な手法。

※追記
 階上に住む日本人(ミッキー・ルーニー)の描写は!
 出っ歯で眼鏡。
 これが当時の日本人のイメージ?


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする