平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

北北西に進路を取れ

2008年12月28日 | 洋画
★「北北西に進路を取れ」と言えば……?と問われて思い出すのは
①複葉機に襲われる主人公ロジャー(ケーリー・グラント)のシーン。
②ワシントンら偉人の顔が刻まれているラシュモア山の岩壁での追跡シーン。
 明らかにわかる合成、セット。
 現在の技術から見ればチャチだが、なぜか記憶に残る。

 <タイトルを言われて特定のシーンが思い出される>
 これって名作の条件ではないでしょうか?
 自分の感性が鈍くなったせいかもしれませんが、最近で記憶に残るシーンがあった作品ってありませんものね。
 敢えてあげると最初の「インディ・ジョーンズ」で大きな石が転がってくるシーン。
 「マトリックス」で背中を仰け反らせて弾丸をよけるシーン。
 「タイタニック」の船の舳先で空を飛ぶポーズをするシーン。
 これらの作品も随分古いですが。

★その他、この作品では様々なサスペンスの要素が詰め込まれている。
・二重スパイ
・実在しない架空の人物の作り上げ。

 冒頭のロジャーが人違いされて殺されそうになるシーンもそう。
 ぐでんぐでんに酒を飲まされて交通事故死を装わされるが、何とか脱出。
 翌日ロジャーが警察を連れて酒を飲まされた敵の屋敷に行くと、屋敷の悪党たちは口を揃えて「ロジャー、昨日あんなに飲んで運転大丈夫だったの?」ととぼける。

 これらひとつの要素だけでもひとつの作品が出来そうだが、それを惜しげもなくひとつの作品に詰め込んでいる。

 確かに古典は今見るとテンポは遅いし古くさいですが、エンタテインメントの密度は濃い。
 現在の映像作家はこれら古典を勉強して応用し、作品を作っているわけですからね。
 古典は飲み物のカルピスの原液。
 これからカルピスソーダも作れれば、カルピスオレンジも作れる。
 これからは名作と言われる古典をどんどん見ていこうと思います。


コメント
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