『シンゴジラ』を見た外国人の感想は、「日本はこんな緊急時に会議をしているのか……」だそうである(笑)
確かに。
でも、これが庵野秀明監督の描きたかったことのひとつなんでしょうね。
・会議ばかり開き、何も決められず対処できない日本。
・有識者会議が大好きな日本。
・法律に基づいてしか行動できない官僚(=これは法治国家として正しいことなんだけど)。
・官僚の縦割り。
・会議の名称や作戦名へのこだわり。
こんなのもある。
・アメリカ追随(=すべてはアメリカ様の言うとおり)
庵野監督はこんな日本を揶揄し、笑う。
そして最終的にはぶっ壊してしまった。
ゴジラの熱線で総理以下、閣僚が一気に死んでしまうのが、その象徴だ。
日本の自衛隊やアメリカ軍がまったくゴジラにまったく歯が立たないのも、そのひとつ。
……………
しかし、ドラマが進むにつれて、日本は復権する。
主人公・矢口蘭堂(長谷川博己)が官僚の縦割りの垣根を越えたチームをつくり、ゴジラ対策に乗り出すのだ。
それはまさに日本の官僚たちの英知を集めたチーム。
環境省からは、市川実日子さんが演じる動物の専門家も参加する。
そしてゴジラ対策で、皆が徹夜を重ねる中、矢口はこうつぶやく。
「この国も捨てたものじゃないな」
政治家も機能し始める。
ゴジラ撲滅のために東京に核爆弾を落とすことに対して、NOと言うのだ。
今までは「アメリカ様の言うとおり」「国連の決議に従うしかない」だったのが、これに異を唱え、矢口の作戦を実行することを決めた。
外務省は総力をあげてフランスなどを動かし、核ミサイルの使用を遅らせることにも成功した。
これらの日本政府の動きに対して、アメリカの国務長官は言う。
「危機は日本の外交を進化させたようだな」
そして、自衛隊以下、日本の総力をあげて、ゴジラの冷却に成功する。
つまり、この作品のクライマックスからエンディングまでは『日本ってすごい!』である。
僕はひねくれているので、『日本も捨てたものじゃない』『日本ってすごい!』ってメッセージを素直に喜べないんだけど、これを観た他の日本人はどう思ったのだろう?
ある人がツイッターで「『シンゴジラ』をすごいとは思うけど、感動はしない」とつぶやいているのを見たが、僕も同じ感想。
あるいは庵野監督は『日本も捨てたものじゃない』についてどう考えているのだろう?
まあ、主人公を官僚にして、素直に物語をつくっていけば、必然こうなるんでしょうけどね。
作品とは一定のイデオロギーや思想を伝えるものでなく、観る人によって、さまざまに解釈できるものですし。
今回は『シンゴジラ』を別の切り口で、新たにレビューしてみました。
前回のレビューはこちら。
『シンゴジラ~ゴジラは暴走する原発か?』
なお、今回、ゴジラの進化の第5形態が明らかになった。

これって、僕たちオタクにいろいろ深読みさせるよな~。
確かに。
でも、これが庵野秀明監督の描きたかったことのひとつなんでしょうね。
・会議ばかり開き、何も決められず対処できない日本。
・有識者会議が大好きな日本。
・法律に基づいてしか行動できない官僚(=これは法治国家として正しいことなんだけど)。
・官僚の縦割り。
・会議の名称や作戦名へのこだわり。
こんなのもある。
・アメリカ追随(=すべてはアメリカ様の言うとおり)
庵野監督はこんな日本を揶揄し、笑う。
そして最終的にはぶっ壊してしまった。
ゴジラの熱線で総理以下、閣僚が一気に死んでしまうのが、その象徴だ。
日本の自衛隊やアメリカ軍がまったくゴジラにまったく歯が立たないのも、そのひとつ。
……………
しかし、ドラマが進むにつれて、日本は復権する。
主人公・矢口蘭堂(長谷川博己)が官僚の縦割りの垣根を越えたチームをつくり、ゴジラ対策に乗り出すのだ。
それはまさに日本の官僚たちの英知を集めたチーム。
環境省からは、市川実日子さんが演じる動物の専門家も参加する。
そしてゴジラ対策で、皆が徹夜を重ねる中、矢口はこうつぶやく。
「この国も捨てたものじゃないな」
政治家も機能し始める。
ゴジラ撲滅のために東京に核爆弾を落とすことに対して、NOと言うのだ。
今までは「アメリカ様の言うとおり」「国連の決議に従うしかない」だったのが、これに異を唱え、矢口の作戦を実行することを決めた。
外務省は総力をあげてフランスなどを動かし、核ミサイルの使用を遅らせることにも成功した。
これらの日本政府の動きに対して、アメリカの国務長官は言う。
「危機は日本の外交を進化させたようだな」
そして、自衛隊以下、日本の総力をあげて、ゴジラの冷却に成功する。
つまり、この作品のクライマックスからエンディングまでは『日本ってすごい!』である。
僕はひねくれているので、『日本も捨てたものじゃない』『日本ってすごい!』ってメッセージを素直に喜べないんだけど、これを観た他の日本人はどう思ったのだろう?
ある人がツイッターで「『シンゴジラ』をすごいとは思うけど、感動はしない」とつぶやいているのを見たが、僕も同じ感想。
あるいは庵野監督は『日本も捨てたものじゃない』についてどう考えているのだろう?
まあ、主人公を官僚にして、素直に物語をつくっていけば、必然こうなるんでしょうけどね。
作品とは一定のイデオロギーや思想を伝えるものでなく、観る人によって、さまざまに解釈できるものですし。
今回は『シンゴジラ』を別の切り口で、新たにレビューしてみました。
前回のレビューはこちら。
『シンゴジラ~ゴジラは暴走する原発か?』
なお、今回、ゴジラの進化の第5形態が明らかになった。

これって、僕たちオタクにいろいろ深読みさせるよな~。