仕事始めの乾杯は・・・
これは『ネグローニ』と言って、1962年イタリア発のカクテル。
ジン、スウィート・ベルモット、カンパリを2:1:1で合わせた食前酒です。
「薬草の味だよね」と、カウンターの端でバーボンを飲みつつ、怖そうに(苦手そうに)
見守る袴塚さん。
まあ、ベルモットやカンパリが好きな人でないかぎり、「美味しいですよ」とは言えませんけど。
かく言う私も薬草系はそんなに得意ではありませんが、なぜ一杯目にこういうものを
作りたくなったのか・・・? たぶん元旦に、お雑煮の前にまず乾杯する「お屠蘇」の
イメージが残っていたのでしょうね。
「・・・・酒やみりんで生薬を浸け込んだ一種の薬草酒。
正式には屠蘇延命散と言います。・・・・
「屠」は「屠(ほふ)る」、「蘇」は「病をもたらす鬼」という意味で、
すなわち鬼退治。あるいは「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「魂を目覚め
蘇らせる」という意味にとるなど、微妙に違う解釈がいくつかある・・・・
お正月にお屠蘇を飲む習慣は中国で始まったと言われています。
これも諸説ありますが、三国時代の魏の名医・華蛇(かだ)が考案したという説が
有力。・・・・日本には平安時代に伝わり、嵯峨天皇の頃に宮中の正月行事として
始められ、江戸時代には一般に広まりました。・・・」
でもね、も一度言うけど決して美味しくはないんですもの
実家での乾杯は、ただの日本酒でいたしました。「気は心」ってことで
「甘すぎる」と言いつつ、いつのまにかネグローニが
「オールド・パル」になっていました。
こちらはアメリカン・ウィスキー(ライ)とドライ・ベルモットを使ったもの。
(見かけはほとんど同じ)
禁酒法以前から、と言われる、古典的なカクテルです