朝7時、いよいよ乗船です。4ブロックに分かれた籠に6人ずつ計24人が乗り込みました。私が居た場所は気球のパイロットのすぐ隣です。少し心配になったのでライセンスを持っているのかと尋ねたところ、長い間やっているから心配するなとのことでした。
やがて気球は音もなく上昇。上下動はバーナーのオンオフ、横移動は風任せのフライトです。途中高度500Mくらいでしょうか、住宅地の上を飛んだり樹木スレスレに飛行したり、スリル満点です。鳥になった気持ちでカッパドキアの風景を堪能しました。
一時間が経過して飛行が終わりに近づき、降下地点を探して地上にいるスタッフと連携しながらロープを投げ、気球を運ぶトラックの荷台の上に見事ランディング。運転手が上手かったので事なきを得ましたが、もし狭いトラックの上に降りられなくて横倒しになったらどうなっていたかと思うと、今でも少しひやりとします。地上に降り立った後、その場で無事のフライトを祝って、シャンパンで乾杯しました。
先週このカッパドキアで気球の衝突事故があり、3人が亡くなったというニュースを聞いてぞっとしました。今年2月にもエジプト ルクソールで燃焼事故があったばかりです。気球がこんな危険な乗物と知っていたら乗りませんでした。よく無事で帰れたものです。
絵は朝日に輝く洞窟住居の傍を飛行する気球です。
「知らぬが仏」とはこういうことを言うのでしょう。今回のトルコ旅行では熱気球に乗ってカッパドキアの空を飛ぶのを一番の楽しみにしていたのですから。
旅行前に掛けた保険では、割増の対象となる「旅行先での危険なスポーツなど」には入っていないこともあって、事故が起こるなんて考えてもいませんでした。今考えると呑気なものです。
当日は朝3時に起床。前夜泊った洞窟ホテルから熱気球会社差し回しの車に乗って出掛けました。まず街中のレストランでコーヒーと軽いおつまみの朝食。オプショナル料金2万2千円を支払いました。なんと受付の女性は日本人。聞くとこちらで熱気球会社を経営している社長の奥さんとのこと。腹ごしらえをした後、出発地点まで車に乗って移動しました。
野原の真ん中で降りると、夜明け前の真っ暗の中で、横倒しになった気球にガスバーナーで熱風を送り込んでいました。すぐ近くにももう一つ、さらにその奥にも。近くを見渡しただけでも10個近い気球がありました。(空に昇ってわかったことですがこの日だけで30個以上の気球が飛びました)絵はその気球から眺めたカッパドキアの風景です。
サフランボルからアンカラへ戻る途中、サービスエリアで絵のようなバスが停まっているのを見ました。バスからぞろぞろ人が降りてきたので聞くと、ドイツのフランクフルトからやってきた観光客でした。
空路イスタンブールに着いた後、夜は後ろの寝台車で眠り、昼は前のバスに移って旅行をしているそうです。小さな窓が30以上ついていますのでかなりの人数が乗れそうです。何処にでも泊れて、そこからすぐに観光が始まるので機動性は抜群です。お風呂はどうしているのかと尋ねたところ、時々ホテルを借りてシャワーを浴びるとのことでした。
大きなドイツ人がプライバシーのない狭い空間の中で夜をどう過ごしているのか気になりました。鼾をかくのもいるでしょうし、いくら旅行費用が安くてもこんな旅行は真っ平御免です。
郷里から戻りましたが旅行中にぎっくり腰になりました。幸い軽かったのですが悪化すると困るので今養生に努めています。
昨年8月下旬、トルコを旅行しました。成田からイスタンブールを経由して国内線に乗り換え、最初に着いた街がここアンカラです。トルコの首都であり、人口600万人を擁するトルコ第二の大都市です。この街の歴史は古く、ローマ時代にはアンキラと呼ばれていました。(この名はアンキュラ(谷底)という言葉に由来していて、昔から地下水が豊富だったそうです)
絵はそのローマ人が築いたアンカラ城近くの高台から再開発中の市街を眺めたものです。ミナレット(礼拝への呼びかけに用いられる塔)が聳える市街を見てイスラムの国に来たことを実感しました。
郷里の和歌山で同窓会があり、明日から出かけます。帰りは奈良に一泊して絵を描く予定です。そんなわけでしばらく家を空けますので早めにUPします。
絵は早春の観音沼(福島県南会津)、山にはまだ残雪が残っています。20年近く前に初めてここに来た時は知る人ぞ知るひっそりとした秘境のような所でした。それ以来毎年訪れていますが、数年前甲子温泉から下郷町に抜けるトンネルが開通してからアクセスがぐっとよくなり観光客(特にカメラマン)が増えてきました。それでも沼畔には観音堂以外には野暮な建物が一切ないので絵になるところです。
一周40分ほどの小さな沼ですが秋の紅葉はもちろん、荒涼とした冬間近かの時期や春の水芭蕉が咲く季節もそれぞれ趣があります。私の絵だけではその美しさを表現できませんので写真を数点添付します。