3時から始まった出資者の一人で料理研究家のYさんとフードメニューを検討するミーティングが終わったのが5時過ぎ。今日は用事があってMが6時過ぎにしか店に入れないので一人で慌てて開店準備にかかる。何とか6時ちょうどに準備終了。これでいつお客さんが来ても問題なしと、Mが来てからイベントスペースで給料計算と昨日の経理事務にかかる。普通だと二時間程かかるので、始めた時はお客さんが来て最後までやれないかなと思っていたのに、ちゃんとやれてしまう。まだ8時だしと余裕をかまして時間潰しに来る時に買った週刊朝日を読み出す。宮崎哲弥と川端幹人の「中吊り倶楽部」を読んで、村上春樹の「エルサレム賞」受賞スピーチを読んで、北康利の「素顔の白州次郎」の最終回を読んで、連載エッセイを読んで東山紀之を見直して、林真理子の櫻井翔との対談を読み終わって……結局、「週刊朝日」をイッキ読みしてしまった。この段階で9時。まだ店は静寂が支配している。誰一人階段を降りて来る気配はない。電話も鳴らない。眠気がふと襲う。お客さんが来たら起きるんだし、襲われてしまえと昔の煙草屋のお婆さんの如くウツラウツラ。でも、いつまでも起こされず1時間後に自主的起床。辺りを見まわして10時過ぎまでお客さんが一人も入ってこない飲み屋の凄惨な佇まいを感じ取る。待つのが商売とは言いながら、こうして4時間以上も待つだけというのはかなり辛い。それだから、この30分後にベテラン新劇俳優のKさんとベストワンのOさんが顔を覗かしてくれた時の感激ったらない。感激するあまり、普段は余裕で話すのに今日は少し呂律が廻らなくなっていた。まぁ,それほどまでにこの四時間がしんどかったということ。他にお客さんは2時まで待ってプロデューサーのKさんの三人きり。こんな日もあるさと軽くこの一日を忘却の彼方へ。