昨日、スタッフのMKさんが思い詰めた顔で「お話があります。私、コレドを辞めたいんですけど」と言って来た。訳は聞かず「あ、そう」とだけ答える俺。続いて「いつまで働いたらいいんでしょうか?二月一杯ですか?三月までですか?」と聞かれて「今週一杯でいいんじゃない?」と答える俺。辞めたいと思ってしまったスタッフに嫌々働いて貰っても精神衛生的によくない。MKさんには九月から働いて貰ったけど、わずか半年の命だった。さて、これからどうするか?と困り果てた訳ではない。これまでも俺とM二人でやってきたこともあるんだし、焦るのはやめようと悠然と構えていたら、今日の深夜、俺と店のことを紹介したネットペーパーを見て入ってきた青年が、バーテン歴七年、演劇歴八年の自分にとってコレドは憧れのスペースですと褒めてくれる。そしてしばらくして、この店で働きたいのですが、駄目ですか?と聞いて来る。彼と会ってまだ20分だ。即断即決するには時間が短い。でも、俺は彼とこの店をやっていこうとその時もう決断していた。人生の出会いは運とタイミングだ。MKさんがやめると言ってきた翌日に働きたいと言って来る彼と俺は運とタイミングがいい。