桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2013・7・2

2013年07月03日 | Weblog
朝起きて突然粒貝の炊き込みご飯が食べたくなったので炊飯器のスイッチを入れてから朝風呂に入る。今日のお供は「歴史を考えるヒント」(網野善彦著新潮文庫)。前にも書いたことが有るけど、網野さんには高校(都立北園高校)で日本史の講義を一年間教わったばかりじゃなく、社研(社会科学研究部)の顧問として色々教えていただいた筈なのだが、生意気盛りの高校生は先生の講義に反発ばかりしていて全く血肉にすることが出来なかった。でも、十数年後になって網野先生が日本中世史の分野の第一人者になられ、その著作に触れる機会が多くなると、いかに自分が高校生の時に先生の授業を無駄に聞いていたかと頭を殴られる思いがしたものだ。でも、救いは網野先生の甥にあたる宗教学者の中沢新一さんが「ぼくのおじさん」と云う新書で、網野先生は北園高校の日本史の授業をする時に生意気な生徒たちがわざと自分を困らせる質問をしてくるのに備えて勉強したことが後の網野学説の手がかりになったという趣旨のことが書かれてあるのを見て、俺の馬鹿げた質問もその中の一役を担ったかも知れないと勝手に思い込んでは、2004年に亡くなられてからも先生の著作が出るたびにこうして読んでは一人きりで生意気な生徒を演じて悦に入っている。風呂から出るとちょうど炊き込みご飯が出来ていたので、それに豚の冷シャブ、明太子、冷や奴のアツアツ胡麻油掛け、いぶりがっこ、油揚げと菠薐草の味噌汁で今日はちゃんと食事してからお昼過ぎに母の病院へ。母は手術が明後日に迫ったこともあってあまり元気がなかったが、傍にいる息子の俺だって気分が憂鬱になるのだから、それは当然といえば当然。もう少し話していたかったけど、一番下の弟が来て会社の経理上の問題を母と話しだしたので、30分ほどで病室を出る。開店までに三時間半もあったことと眠たかったこともあって、六本木ヒルズに行って映画には失礼だけど「眠れそうな映画」をさがす。でも、一応見る前に珈琲を買い、医者から処方されたカフェインの粉末を飲んでおく。万が一出だしから面白いのに眠気に襲われたら損だしね。でも、心配は無用だった。このテレビ局の作った映画は説明、説明、説明!三十分もしない内にその説明が子守歌になって一時間以上は快眠を貪ることが出来た。ホント、説明する映画はやめましょう。ちゃんと見る為に行ったら激怒してますよ、この映画。でも、そのお蔭で体調はよくなって、仕入してから五時過ぎに店に入り、足の痛みもそんなに感じず開店準備をしていたら、先日23年ぶりに再会した女性編集者のIが俺の足を心配?して顔を出してくれる。でも、あまり痛そうにしてないのでガッカリして代わりにビールを何杯も飲んでいく。続いて今日で四回目の来店となるHさん。元々は店の近所にあるジムでキックボクシングを習っていてその帰りに寄ったのが最初だと云うと、いくら俺が美人だと書いてもあまりイメージが膨らまないかも知れないので、キックボクシングではなく嘘でもいいから日本舞踊かお茶の稽古の帰りに寄ってくれたみたいだと書いた方がよかったかも知れない。そんな美人。そしてそこにウチの店の№1常連である社長秘書のYさんが現れ、いい女が三人カウンターに勢ぞろい。そんな時に現れたテレビAの関連会社社長のKさんは幸運。Hさんが帰った後に来店した芸能ルポルタージュに健筆をふるうライターのIさんはちょっと不幸。でも、しばらくして今度7月29日にウチのスペースでライブをやることになったKさんのお嬢さんのMさんが打ち合わせに現れて、Kさんは父親の顔にならざるをえず、Iさんは男の顔になってツーペイか?でも、俺はいい女ばかりに囲まれてお酒も飲んで、その上お金もいただいて、こんな日ばかりだったら痛風の発作も絶対起きないのに!