桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2011・8・18

2011年08月19日 | Weblog
子供の頃から決め事、決まり事が好きだ。勉強の予定を立てたり、読書計画を作ったり、お小遣いの使い道を考えたりするのが楽しかった。でも、その殆どが無駄になった。計画と実行は別の世界のことだ。でも、大人になって、というかお店をやるようになって、計画と実行が同居しだした。計画したことは実行する。決めたことはちゃんとやる。お金の計算と帳簿記入、顧客名簿の整理、この日記を書くことをとりあえず毎日続けていられるのは一種のマゾ的な快感だし、一日50本吸っていたフィルターなしのショートピースを去年の元旦からピタッとやめてしまったのも、一日一回はポルトガル語の勉強を僅かでもすると決めてやっているのもその欲望の一種かもしれない。そして最近のマイブームは経済的必要からだけど店の帰りにタクシーに乗らないことに決めたことだ。昨日はOさんとこっちも飲みたかったので終電を確信犯的に逃して、ちょっと前ならタクシーで帰った処を後片付けや帳簿つけ、それが終わるとポルトガル語の勉強で時間をつぶして始発で帰ったのだけど、今日は12時15分にはみんな帰ってしまったので、12時40分の終電に間に合わせるべく、洗い物やゴミだしをしてギリギリで店を出ることができた。階段を駆け降り、終電車にすべりこみセーフで乗り込めたのだが、そこでホッとしたのがいけなかったのか、明治神宮前(原宿)までたった二駅なのに酔いも手伝って眠ってしまったみたいで、気づいた時は終点の代々木上原駅だったのだ。さて、どうする?帰りの電車はない。普通ならタクシーに乗るだろう。でも、タクシーに乗らないという決め込みに酔っている俺は、土地勘のある街だとばかりに気づいた時にはひとり深夜の街を歩きだしていたのだ。上原から東北沢、池ノ上へ。この辺りは俺の戸籍に出生地と記されている街だし、30代の頃一年間住んでいたことがある。東大宇宙研、近代文学館を通って駒場東大前から東邦大学病院を抜けて246へ。この近所の池尻大橋にも住んでいたことがあるし、駒場東大前にあったスナック「K」には毎日のように通っていた。そういえばこの店のマスターのRちゃんが死んでもう13年か14年になる。彼にはホント世話になった。246から山手通りに入って中目黒へ。この先の防衛庁の官舎にも住んだことがある。あの頃は仕事もできず、お金もなく、最悪の時代だったなんて、その時その頃の頃をツラツラ思い出しながら、途中自販でかったスポーツドリンクだけを飲みつつ、ひとりブラブラ歩き続けて約二時間。でも、目黒経由で五反田についた時には流石に疲れ果て、そして空腹に耐えがたく、深夜やっているラーメン屋に飛び込んですするラーメンの美味しかったこと。5時近くに部屋に帰ると、シャワーを浴びることもなくベッドへ直行、そして一人でベッドに大の字になっていたら五分後には意識不明。深夜の散歩は楽しかったけど、やはり好き好んでやるもんじゃない。